サークル、USDCの決済機能「Nanopayments」をテストネット公開。最小0.000001ドルのUSDC決済に対応

AIエージェントや機械間取引の決済基盤を想定

米ドル連動ステーブルコインUSDCを発行するサークル(Circle)が、極小額決済機能「ナノペイメント(Nanopayments)」をテストネットで公開したと3月3日に発表した。

ナノペイメントは、USDCによる極小額決済を可能にする仕組みだ。最小で0.000001ドル(約0.000156円)相当の送金に対応し、ガス代なしで支払いを行える設計となっている。

同機能は、サークルが提供する決済基盤「ゲートウェイ(Gateway)」を利用する。ユーザーはUSDCをゲートウェイウォレットへ預け入れた後、支払い承認をオフチェーンで署名する。ゲートウェイは、これらの承認をまとめてオンチェーンで清算する「バッチドセトルメント(batched settlement)」を採用し、取引ごとのガスコストを発生させないことで極小額決済を可能にするという。

また同機能は、AIエージェントなどの自律的な経済活動を想定して設計されている。サークルによると、API利用料や計算処理時間、データセットへのアクセスなどを利用量に応じて支払う「従量課金型(usage-based billing)」モデルへの活用を想定しているという。

さらに同機能は、AIやロボットなどの機械同士が自律的に取引を行う「マシン・トゥ・マシン(machine-to-machine)」の決済にも対応する設計とされる。例えばロボットが電力などの運用コストを自動で支払うような用途などが想定されている。

ナノペイメントは、AIエージェント向け決済標準として提案されている「x402」プロトコルに対応している。また同機能は、ゲートウェイを通じて複数のEVM互換チェーン間での価値移動にも対応する設計とのことだ。

なお、AIエージェントによる決済インフラの整備は、暗号資産業界やIT企業の間で進められている。米決済企業ストライプ(Stripe)は今年2月、AIエージェントがAPI利用料などをステーブルコインで支払える仕組み「マシンペイメンツ(Machine Payments)」の試験提供を開始している。また米グーグルクラウド(Google Cloud)も、昨年エージェント間取引を想定した決済プロトコル「AP2(Agent Payments Protocol)」を公開しており、その中でx402を用いたステーブルコイン決済の拡張機能を導入している。さらに米コインベース(Coinbase)もAIエージェント向け決済ツール「ペイメントMPC(Payments MCP)」を提供しており、x402と連携したオンチェーン決済機能を実装している。

参考:ナノペイメントドキュメント
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。