アスター、ASTR価値創出に軸足。2026年に向けた実行方針を公表

「Astar Collective」のもとで2つの取り組みを並行

レイヤー1ブロックチェーン「アスターネットワーク(Astar Network)」が、外部エコシステムの拡大を軸としたこれまでの方針から、独自トークン「ASTR」の価値創出に直結するプロダクト開発を重視する戦略へと軸足を移す。2026年に向けた新たな実行方針が、1月22日に公式ブログで発表された。

今回示された方針は、2025年11月に発表された中長期構想「アスター・エボリューション・フェーズ2(Astar Evolution Phase 2)」を前提としたものだ。フェーズ2では、トークンエコノミーの再設計や供給量モデルの見直し、ガバナンスの進化などを通じて、ASTRの持続的な価値形成を図る方針が示されていた。

この方針の実行主体として位置付けられているのが「アスターコレクティブ(Astar Collective)」だ。アスターは自らを「コレクティブ(collective)」と位置付け、アスターネットワークやイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ネットワーク「ソニューム(Soneium)」という2つのエコシステムへの貢献を軸に、2026年の実行方針を進めるとしている。

今回の発表では、アスターコレクティブのもとで2つの取り組みを並行して進める方針が示された。ひとつは、アスター財団(Astar Foundation)主導で進めるプロダクト実行スタック「アスタースタック(Astar Stack)」、もうひとつは、スターテイルグループ(Startale Group)と共同で進める「バーンドロップ(Burndrop)」だ。

アスタースタックは、アスターのインフラをユーザー向けプロダクトとして具体化し、持続的なオンチェーン金融活動を生むための「プロダクト実行スタック」と位置付けられている。オンチェーン金融への参加を簡素化し、ブロックチェーンの仕組みを意識せずに利用できるセルフカストディ型の体験を提供することを目的としている。

アスターは2025年を通じて、コミュニティ主導によるエコシステム拡張だけでは十分な価値創出につながらないとの認識に至ったという。これを受け、2026年初頭からはプロダクト実行を軸とした戦略へと方針を転換し、トークノミクスの見直しやdAppステーキングモデルの刷新、アスター・ポータルの再構築などに取り組むとしている。

アスタースタックの中核プロダクトとしては、「アスターファイ(Astar Fi)」と「アスターガード(Astar Guard)」が挙げられている。アスターファイはリテールユーザー向けのセルフカストディ型パーソナルファイナンス基盤、アスターガードはオンチェーン金融におけるリスク監視・安全管理レイヤーとして設計されている。

これらのプロダクトを通じて生じる経済活動については、プロトコル手数料などを通じてASTRへ価値を還流させる仕組みが想定されている。公式ブログでは、手数料に加え買い戻しや供給削減なども例として挙げている。アスターは、プロダクト利用に伴って価値が循環する構造の構築を目指すとしている。

一方でバーンドロップは、アスター・エボリューション・フェーズ2の中核施策として、スターテイルグループと共同で開発が進められている取り組みだ。ASTRホルダーが自発的にトークンをバーンすることで、将来的にスターテイル関連エコシステムのトークンを受け取る資格を得る仕組みとされている。実行タイミングは規制環境やパートナー条件に左右されるものの、直近では概念実証(PoC)を通じて技術的な準備が整ったとしており、現在はユーザビリティや分かりやすさの改善が進められているという。

2026年のロードマップでは、第1四半期にトークノミクス刷新やアスターポータルの再構築、アスターファイの開発を進め、第2四半期以降に段階的なプロダクト展開が予定されている。後半には、アスターガードの提供や、プロダクト収益をASTRへ還流させる仕組みの強化も進める方針だ。

アスターは、ネットワーク利用におけるASTRの役割を前提としてきた従来のモデルから、プロダクトを通じた経済活動を軸にASTRの価値を支えるモデルへの転換を図っている。アスタースタックがどこまで実利用を獲得できるか、そしてそこで生まれた価値がどのようにASTRへ結び付くかが今後の焦点となりそうだ。

参考:アスター
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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