クラーナがステーブルコイン「KlarnaUSD」発行へ
グローバルでデジタルバンキングおよび柔軟な決済サービスを提供するクラーナ（Klarna）が、同社初となるステーブルコイン「KlarnaUSD」を発行すると11月25日に発表した。
KlarnaUSDは、ストライプ（Stripe）とパラダイム（Paradigm）が開始した決済特化型ブロックチェーン「テンポ（Tempo）」のメインネットにて2026年にローンチ予定だという。現在は同ネットワークのテストネット上で稼働しているとのこと。なお現時点で一般向けには公開されていない。
KlarnaUSDは、ストライプ傘下のステーブルコインインフラ基盤ブリッジ（Bridge）が提供する「オープンイシューアンス（Open Issuance）」上で構築される。同プラットフォームでは、発行企業が対応チェーンや裏付け資産（現金・米国債など）、スマートコントラクト設定などを自由に構成でき、発行されたステーブルコイン同士を1:1で相互交換できる仕組みを備えている。準備資産の管理や流動性確保、セキュリティ、規制対応はブリッジが担うという。
クラーナは、現在の課題としてクロスボーダー決済で年間約1,200億ドル（約18兆7,540億円）の手数料が発生していると指摘している。一方で今後はステーブルコインの活用により消費者と加盟店の双方のコスト削減が可能になると説明している。
発表によると、マッキンゼー（McKinsey）の試算では、ステーブルコインの年間取引総額はすでに27兆ドル（約4,220兆4,000億円）に達しており、今後レガシー決済ネットワークを上回る可能性があるという。クラーナは、1億1,400万人の顧客基盤と年間総流通取引額1,180億ドル（約18兆4,400億円）の規模を活かし、テンポのインフラと組み合わせることでグローバル決済の効率化を進めるとしている。
KlarnaUSDは、テンポのテストネット上でプロトタイプや統合作業を進める段階にあり、今後数週間以内に次の暗号資産（仮想通貨）関連パートナーを発表する予定だという。また同ステーブルコインは現在テストネットに限定されており、一般向けの取引はまだ行われていない。正式な情報はクラーナ公式サイトおよび各種公式チャネルで案内されるとしている。
なお今回KlarnaUSDで利用されたブリッジのオープンイシューアンスの採用事例としては、今年9月にファントムテクノロジーズ（Phantom Technologies）が発表した米ドル建てステーブルコイン「CASH」などがある。CASHは暗号資産（仮想通貨）ウォレット「ファントム（Phantom）」に統合されるとされる独自ステーブルコインだ。ユーザーはCASHを使ってファントム上で送金、運用、法定通貨や他のステーブルコインへの変換が可能となるほか、アップル・ペイ（Apple Pay）、グーグル・ペイ（Google Pay）、ビザ（Visa）加盟店での決済にも対応するという。
Introducing KlarnaUSD, our first @Stablecoin.
— Klarna (@Klarna) November 25, 2025
We’re the first bank to launch on @tempo, the payments blockchain by @stripe and @paradigm.
With stablecoin transactions already at $27T a year, we’re bringing faster, cheaper cross-border payments to our 114M customers.
Crypto is…
参考：クラーナ
画像：PIXTA