日本初のステーブルコイン「JPYC」、リリース後24時間で発行額3,700万円突破

JPYCの発行額が3,700万円を突破

日本初のステーブルコイン「JPYC」の発行額が、正式リリースから24時間で3,700万円を突破した。

サードパーティーとして公開されている「JPYC Analytics」によると、記事執筆時点(10/28 13:00)での発行量は3,756万1,002JPYCとなっている。

現在JPYCが発行されているブロックチェーンは、イーサリアム(Ethereum)、アバランチ(Avalanche)、ポリゴン(Polygon)。発行量が最も多いのはポリゴンで約1,310万JPYC。次にイーサリアムで1,300万JPYC、そしてアバランチが約1,146万JPYCとなっている。また各チェーンの保有アドレス数はポリゴンが1,202、イーサリアムが71、アバランチが442であることが、ポリゴンスキャン(Polygonscan)、イーサスキャン(Etherscan)、スノートレイス(SNOWTRACE)によって確認できる。

なおJPYC社は、各チェーンで事前に4億円分のJPYCを発行しており、これを購入者に送金することでJPYCを流通させている。現状のJPYC Analyticsでは、各チェーンに存在する総発行量から運営のアドレスが現在所有している数量を引くことで、JPYC社のアドレスからすでに送金されたJPYCの合計量を算出し、これを発行額とみなしている。

10月27日13:00より、JPYCの発行および償還の受付を行う専用プラットフォーム「JPYC EX(ジェーピーワイシーエクス)」が公開され、同ステーブルコインは正式リリースされた。

JPYC EXの登録ユーザーは、JPYC EX上から発行予約を行い、銀行振込によって指定の口座に日本円の入金をすることで、登録済ウォレットアドレスへのJPYC発行が受けられる。また同様に、JPYC EX上から償還予約を行い、指定されたアドレスにJPYCを送付することで、登録出金口座への日本円払い戻しができるとのこと。

同サービスによるJPYCの発行・償還は1回3,000円以上、1日100万円までとなっている。ただしイーサリアムの発行のみ100万円以上の利用額制限がある。ユーザー間の送金・決済には制限がないとのことだ。

JPYC社が発行する資金移動業型ステーブルコインJPYCは、日本円と1:1で交換可能な日本円建ステーブルコインであり、裏付け資産は日本円(預貯金および国債)によって保全する。これにより利用者は同額の日本円に償還できるステーブルコインが利用できるようになる。

JPYC社はJPYC取り扱いにあたり、8月18日付で資金決済法に基づく「資金移動業者(第二種)」の登録を得ている。

2023年6月の資金決済法の改正により、日本におけるステーブルコインは「電子決済手段」として位置付けられ、発行・償還等の枠組みが整備された。なお電子決済手段には、資金移動業者にて発行される「1号電子決済手段」と、信託会社・信託銀行により発行される「3号電子決済手段(特定信託受益権)」がある。JPYCは1号電子決済手段となる。

参考:JPYC Analytics
画像:iStocks/TaiChesco

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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