アービトラムが「DRIP」開始
アービトラムDAO(Arbitrum DAO)が、総額4,000万ドル(約8,000万ARB)のDeFiインセンティブプログラム「DRIP(DeFi Renaissance Incentive Program)」のシーズン1を9月3日に正式に開始した。このプログラムは4つのシーズンに分かれて実施され、各シーズンで特定のDeFi(分散型金融)分野をターゲットとしている。
シーズン1では最大2,400万ARBを投入し、アービトラムワン(Arbitrum One)上でのレバレッジループ取引の成長促進に焦点を当てる。期間は20週間(10回の2週間エポック)で、2026年1月20日まで実施される予定だ。
レバレッジループとは、ユーザーが利回り付き資産を担保として預け入れ、その担保を使って同じ資産を借り入れて再投資を繰り返す戦略のことだ。例えば、syrupUSDCを預け入れ、USDCを借り入れてより多くのsyrupUSDCにスワップし、そのプロセスを繰り返すことでレバレッジを効かせる。
プログラムを設計したエントロピーアドバイザーズ(Entropy Advisors)の共同創設者マット・フィーバック(Matt Fiebach)氏によるとこの戦略は、現在イーサリアム(Ethereum)メインネット上で数百億ドルの建玉を生み出しており、DeFiマネーマーケット活動の約20〜30%を占めているとのこと。しかし、イーサリアムレイヤー2では、この活動のごく一部しか行われていないという。
対象となる担保資産には、ETH系として weETH、wstETH、rsETH、ezETH、gmETHが含まれ、ステーブルコイン系としてsUSDC、sUSDS、USDe、sUSDe、syrupUSDC、RLP、wstUSR、sUSDai、thBILLが設定されている。また対象資産のペンドル(Pendle)でのデリバティブ取引も報酬対象となる。
参加可能なレンディングマーケットには、アーベ(Aave)、モルフォ(Morpho)、ユーラー(Euler)、フルーイド(Fluid)、ドロマイト(Dolomite)、シロ(Silo)が含まれており、これらのプロトコルは規模、牽引力、アービトラムとの整合性に基づいて選定された。各エポック終了時には、対象資産に対するETH(WETH)またはUSDCの借入総額に基づいて、報酬が計算される。
プログラムは段階的な展開で設計されており、最初の2エポックは発見段階として基本予算の15%のみが割り当てられる。その後、より成功したマーケットやプロジェクトがより多くのインセンティブを受け取るパフォーマンスベースモデルに移行し、プログラム予算の大部分がこのパフォーマンス段階で使用されるとのことだ。
このプログラムはマークル(Merkl)によって支援され、報酬は2週間のエポック終了後に時間加重借入残高に基づいて配布される。報酬の請求は、2026年1月20日に設定されているシーズン1終了3ヶ月後まで利用可能だ。
Introducing DRIP – The DeFi Renaissance Incentive Program!
— Arbitrum (@arbitrum) September 3, 2025
A huge DeFi program that rewards real DeFi actions on Arbitrum, starting with Season 1: Leverage Looping Strategy
💧 Deposit ETH/stables
💧 Borrow & loop
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参考:DRIP
画像:iStocks/namaki