リップル、米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」をアフリカで提供開始

RLUSDがアフリカで利用開始

米リップル(Ripple)社が、同社発行の米ドル建てステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」をアフリカで提供開始したと9月4日に発表した。

リップル社はチッパーキャッシュ(Chipper Cash)、ヴァラ(VALR)、イエローカード(Yellow Card)の3社と提携し、RLUSDを現地で流通開始したとのこと。

RLUSDは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の信託会社チャーターを受けている米ドル連動型ステーブルコイン。エンタープライズ用途に特化し、特に国際送金の速度向上とコスト削減を目的に設計されている。現在、RLUSDはXRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)とイーサリアム(Ethereum)の両チェーン上でネイティブに発行されている。

アフリカでの導入にあたり、RLUSDはクロスボーダー決済における即時決済、送金や財務業務における流動性確保、DeFi(分散型金融)プロトコルとの統合、法定通貨と暗号資産(仮想通貨)間のブリッジ、トークン化資産取引における担保提供など幅広いユースケースに対応するとのこと。

実際にケニアでは、マーシーコープスベンチャーズ(Mercy Corps Ventures)が主導する異常気象救済パイロットプロジェクトでRLUSDが活用されているという。RLUSDは、農家向けの干ばつに備えた保険としてエスクロー口座に保管されるとのこと。

そして衛星データで干ばつの可能性が確認されると、スマートコントラクトを通じて保険金が支払われるとのことだ。なおエスクローとは、中立的な第三者が資金を一時的に預かり、契約条件が満たされたときに支払いを行う仕組みを指す。

さらに2つ目のプロジェクトでは、RLUSDを裏付け資産としてパラメトリック保険に利用し、豪雨時にも同様に保険金を支払う仕組みを提供する予定だという。パラメトリック保険とは、損害と関連する指標が契約時に定められた条件を満たした際に、あらかじめ決められていた保険金が支払われる仕組みである。

なおリップル社はグローバル展開に向けアフリカでの3社に加え、ビットソー(Bitso)、ビットスタンプ(Bitstamp)、ブリッシュ(Bullish)、コインメナ(CoinMENA)、インディペンデントリザーブ(Independent Reserve)、ジェミナイ(Gemini)、クラーケン(Kraken)、メルカドビットコイン(Mercado Bitcoin)、アップホールド(Uphold)などを通じてRLUSDを提供しているとのことだ。

参考:リップル
画像:iStocks/Katerina-Sisperova

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。