コインベースウォレットが「Base App」にリブランド、ソーシャルフィード・チャット・決済など統合

Coinbase WalletがBase Appにリブランド

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)提供のWeb3ウォレット「コインベースウォレット(Coinbase Wallet)」が、「ベースアプリ(Base App)」へとリブランドした。コインベース主催のイベント「アニューデイワン(A New Day One)」にて7月17日に発表された。

ベースアプリでは、ソーシャルフィード、チャット、ミニアプリ、決済など多様な機能が1つに統合されているとのこと。なおコインベースウォレットの機能も引き続き利用可能となっている。現在、ベースアプリはベータ版として限定的に提供されており、専用サイトにてウェイティングリストが公開されている。

ベースアプリのソーシャルフィードは、分散型ソーシャルプロトコルのファーキャスター(Farcaster)が活用されているとのこと。またユーザーは、自身の投稿をイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーンのゾラネットワーク(Zora Network)でトークン化し、収益を得られるという。

チャット機能は、Web3用メッセージングプロトコルのXMTP(Extensible Message Transport Protocol)を基盤に暗号化されているとのこと。またミニアプリは、数百種類が用意されているという。

さらに決済機能では、NFC対応のUSDC決済を可能にするサービス「ベースペイ(Base Pay)」として機能するとのこと。なおベースペイは、EC大手米ショッピファイ(Shopify)の加盟店にて導入可能とされている。

またユーザーのUSDCには、支払いに使用される直前まで年利4.1%の利回り(APY)が自動的に付与されるという。さらにショッピファイ加盟店での購入には、1%のキャッシュバックも提供されるとのこと。

またベースアプリの登録時には、ベースアカウント(Base Account)と呼ばれるスマートウォレットが自動で作成されるという。ベースアカウントは、異なるアプリやチェーン間でも一貫して利用できるとのことだ。

コインベースは7月11日、暗号資産デリバティブプラットフォームのオープンマーケッツ(Opyn Markets)をリフトアウト買収したと、メディア「ブロックワークス(Blockworks)」が報じた。

報道によると、この買収はアクハイヤー(Acquihire)型の買収であり、同社CEOアンドリュー・レオーネ(Andrew Leone )氏とリサーチ責任者のジョー・クラーク(Joe Clark)氏の獲得を目的としたものであるという。

両者が所属するオープンマーケッツのチームは、DeFi(分散型金融)初期から活動しており、最初のDeFiオプションプロトコルのパワーパーペチュアル(Power Perpetuals)やスクイース(Squeeth)を開発。また、オンチェーン技術や従来型市場構造への理解、ゼロから分散型プロダクトを構築してきた実践的な経験を持つという。

なおリフトアウト買収とは、レバレッジドバイアウト(LBO)の一種。買収対象企業の資産を担保に資金を調達し、買収後に資産を売却することで利益を得る手法である。またアクハイヤーとは、人材獲得を目的に企業ごと買収するM&Aの手法だ。

参考:ベースアプリ1ベースアプリ2ベースペイ
画像:iStocks/Molnia

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。