RWA特化の「Plume」、パブリックメインネット「Plume Genesis」公開

1.5億ドル超の資産がオンチェーンで運用

実物資産(RWA)に特化したモジュール型ブロックチェーンを開発する「プルーム(Plume)」が、パブリックメインネット「Plume Genesis」を公開したと6月5日に発表した。

発表によれば、「プルーム・ジェネシス(Plume Genesis)」は、スーパーステート(Superstate)、ブラックストーン(Blackstone)、インベスコ(Invesco)などの機関投資家グレードのリアルワールドアセット(RWA)を、DeFi(分散型金融)と組み合わせて運用可能な基盤としてローンチされたもので、これまでに1億5,000万ドル(約215.7億円)以上のRWA資本がオンチェーンで運用されている。

またこのエコシステムには、モルフォ(Morpho)やカーブ(Curve)、オーダリー(Orderly)といったDeFiアプリや、マトリックスドック(Matrixdock)やロレンツォ(Lorenzo)などのRWAfi特化型プロジェクトなど、多数の先進的なアプリケーションが参加しているとのことだ。

またプルームは、RWAをオンチェーンに持ち込む新たな仕組みを築いており、今後40億ドル(約5,752.8億円)超の資産導入を目指している。プルーム上ではRWAトークンが暗号資産(仮想通貨)と同様に扱え、レンディングや流動性提供、イールドファーミング、レバレッジ取引などのDeFiに容易に組み込めるとのことだ。

プルームの共同創設者兼CEOであるクリス・イン(Chris Yin)氏は、「RWAfi(RWA金融)は、現実世界の資産を、暗号資産のように機能する組み合わせ可能で利回りを生む基礎要素(プリミティブ)として再構築する」とし、「機関投資家向け資産に新たなDeFiユースケースを導入することで、RWAを他の暗号資産と同じように簡単に利用できるようにする」と述べた。

また今回のメインネット公開により、次の機能にアクセスできるようになったという。

具体的には、dApps(分散型アプリケーション)の発見や報酬の管理、ポジション管理ならびに利回りの最適化ができる「Plume Portal」。国債、マネーマーケットファンド、利回り付きステーブルコイン、プライベートクレジットなどの機関投資家向け資産に加え、ドリアン農園、文化IP、GPU、鉱物権益などのオルタナティブ資産を含む「利回りを生むRWAfi資産」。資産を預け入れることで利回りやdApp報酬が得られる、流動性インセンティブのプロトコルである「Royco」。ガス代、ステーキング、ガバナンス、担保、エコシステム利用に活用可能な「PLUMEトークンユーティリティ」。Plumeの「Skylink」により、20以上のネットワーク間でRWA利回りの相互運用が叶う「クロスチェーンRWA利回り」などが利用可能になる。

プルームの共同創設者兼CBOであるテディ・ポルンピニャ(Teddy Pornprinya)氏は、「暗号資産に対するグローバルな規制の逆風が収まる中、機関投資家が初めて大規模に実物資産の利回り資産に安全にアクセスできるようになる」と述べた。

またプルームは、米国の議員や財務省、SEC、香港の立法会、欧州、UAEの政策立案者との対話を通じ、暗号資産と資本市場イノベーションの未来の形成に取り組んでいるとのこと。

プルームは今後、トークン化された美術品、貴金属、トゥクトゥク、ウラン、トレーディングカードといった多様な資産クラスをエコシステムに導入し、RWAの利便性をさらに拡大していく予定だとしている。

参考:発表ブログ
画像:iStock/SiberianArt・artacet

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者