NY市長、ビットコイン担保の市債「BitBond」構想を表明

NYDFSのBitLicense廃止にも言及

米ニューヨーク市のエリック・アダムス(Eric Adams)市長は、ビットコインを担保とする市債「ビットボンド(BitBond)」の発行を提案し、ニューヨーク州の暗号資産事業者向けライセンス制度「ビットライセンス(BitLicense)」の廃止を訴えた。

アダムス市長は、ラスベガスで5月27日から29日に開催された「Bitcoin 2025」カンファレンスにて、「私たちは、他のすべての債券のための金融商品を持っており、非課税債や他の債券を持つことができる。この街の歴史上初めて、ビットコインの保有者のために作られた金融商品を持つ時が来た」と述べた。

市長は、ニューヨークでビットコイン担保の債券投資が可能となるよう、取り組む姿勢を示した。

「ビットボンド」の詳細については明らかにされていないが、提唱団体「Bitcoin Policy Institute」は3月に発表した政策概要で、債券を通じて調達された資金の90%を政府支出に、10%をビットコインの購入に充てるモデルを提案している。

このモデルでは、債券の保有者は10年間にわたり年1%の利息を受け取り、満期時にはビットコインの値上がり益(複利4.5%まで)の100%と、残りの値上がり益の50%を受け取る。残りのビットコインの値上がり益は、政府のビットコイン準備金として積み立てられる予定だ。

また、アダムス市長は、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が発行する「ビットライセンス(BitLicense)」の廃止についても言及し、「私はビットコイン市長だ。攻撃されたり犯罪者にされたりしないから、安心してニューヨーク市に戻ってきてほしい」と呼びかけ、「ライセンスを廃止し、私たちの街でビットコインが自由に流通できるようにしよう」と述べた。

市長は5月の記者会見にて、「ビットライセンス」に関して、過剰な規制が成長を妨げる可能性を指摘しつつも、適切な規制の重要性を認め、投資家保護と業界の健全な発展の両立を目指す姿勢を示していた。今回の発言は、アダムス市長のビットコインに対するより強固なコミットメントを示すものとなった。

参考:Bitcoin Policy Institute
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者