「ミームコインを無意味と鼻であしらう前に注意を払うべき」アーサーヘイズが指摘、チェーンに好影響の可能性も

チェーンにプラスの影響も

暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス(BitMEX)の共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏はすべてのミームコインを「無意識」というレッテルを貼る前に注意を払うべきだと指摘した。リアルビジョン(Real Vision)のCEOであるラウル・パル(Raoul Pal)氏との対談の中で同氏が3月30日発言している。

ヘイズ氏は、ドージコイン(DOGE)やシバイヌ(SHIB)などのいわゆる「犬コイン」を例に挙げながら、注目を集めたミームコインを愚かで無価値なものだと鼻であしらうこともできるが、これらが注目されることでエンジニアが増えれば、チェーン自体にとってプラスになると述べた。

また同氏は、「こういった文化を支えることができるチェーンは、価値を持つチェーンになるだろう」と述べ、ミームからの注目の流れを捉えるのに最も適したネットワークとして、ソラナ(SOL)とイーサリアム(ETH)を挙げている。

事実、ソラナネットワークでは昨年後半より数多くのミームコインプロジェクトが立ち上がり、熱狂を見せている。今年3月には「ドッグウィズハット(Dogwifhat:WIF)」のアイコンである帽子をかぶった犬の画像を、米ラスベガスにある巨大な球体型の複合アリーナ施設「スフィア(Sphere)」に映し出すキャンペーンが67万ドル(約1億円)の寄付金を集めていた。

なおこの活動はコミュニティ主導で始まったもので、当初65万ドルの集金を目標に開始されたものであった。同寄付にはファントムウォレットなども参加していた。

両氏は今後もしばらくミームコインへの注目が続くと見ており、ヘイズ氏はこの取り組みについて、「これは人間的な感情の純粋な表現だと思うし、もしあなたがテクニカル分析を重視する人間なら、このような戦略を展開するのに最適な場所だと思う。それは文字通り、人間が集まって互いに影響し合っているから。その感情はローソク足チャートに表されるわけで、トレーダーとしてはそれはすばらしいことだよ」と述べている。

またパル氏は、Z世代やミレニアル世代にみられる「ゲームメンタリティ(gaming mentality)」に乗じて若年層の中でミームコインの人気が高まると予想。同世代によるミームコインへの投資を「お金を使ったゲームと同様」だと表現している。

一方でヘイズ氏は、ミームコインへ投資をする前に慎重に検討するよう促している。ミームコインはテクニカル視点を持つ投資家とは相性がいいが、リスクが高く投機的なものであり、誰もが簡単に利益を生めるわけではないとヘイズ氏は述べている。

 

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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