ブルームバーグが長者番付を発表、バイナンス前CEOのCZが約3.3兆円資産増やす=報道

資産増のCZ氏

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の前CEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏の資産は、今年1年間で236億ドル(約3.3兆円)増加したという。ブルームバーグが12月26日報じている。

ブルームバーグはCZ氏の資産を現在362億ドル(約5.1兆円)と見積もっているが、同資産の中にはビットコイン(BTC)やBNBなどの暗号資産は含まれておらず、主にバイナンスの株式だという。

またブルームバーグは今年の億万長者指数(長者番付)を公開しており、その指数を参考に、2022年初頭のCZ氏の資産は約970億ドル(約13.8兆円)であったと説明。今年7月の年初来最高値504億ドル(約7.1兆円)から同氏の資産はさらに減少したと述べている。なおCZ氏は同番付で37位に位置している。

CZ氏は11月、バイナンス及び同氏が米国の法を犯したことを認め、43.6億ドル(約6,216億円)の罰金の支払いに同意し、規制当局と和解。併せてCEOを退任した。しかし同氏は今年1年でこの罰金の約5倍超の資産を増やしたことになる。

ちなみに同番付の1位はSNS大手X(旧Twitter)などを運営する実業家のイーロン・マスク氏で、純資産総額は2,350億ドル(約33.4兆円)だ(2023年12月27日時点)。

暗号資産関連の億万長者たち

また報道では、今年暗号資産の反発の恩恵を受けた人物として、大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)のCEOであるブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏や、同社共同創業者フレッド・エーサム(Fred Ehrsam)氏、米暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)のタイラー&キャメロン・ウィンクルボス(Tyler&Cameron Winklevoss)兄弟、デジタル・カレンシー・グループ(DCG)の創業者のバリー・シルバート(Barry Silbert)氏らが挙げられた。

なおアームストロング氏の資産は、1年間で58億ドル(約8,267億円)増加し、72億ドル(約1.2兆円)になったとのこと。コインベースの株価はこの1年で約400%上昇しており、同氏は約16%の自社株を保有していることになるという。

またエーサム氏の資産は18億ドル(約2,566億円)増加して総額約25億ドル(約3,564億円)になり、コインベース株の約5%を保有しているとみられる。

ウィンクルボス兄弟は資産を14億ドル(約1,996億円)増やし、27億ドル(約3,849億円)に。シルバート氏の資産は15億ドル(約2,138億円)増え、推定20億ドル(約2,851億円)とみられている。

米証券取引委員会(SEC)は現在、現物ビットコインETFを申請中の複数の発行体と会合の場を設けており、そのアドバイスを反映した修正書類が発行体らによって続々と提出されている。

こういった動きから現物ビットコインETFが承認間近ではないかとの見方が強まったり、暗号資産に関する複数の好材料が重なり、今年の暗号資産相場は年の暮れに向け上向いていた。

これらの要因が暗号資産関連事業者たちの資産を増やす要因になったのではないかとみられている。

関連ニュース

参考:ブルームバーグブルームバーグ億万長者指数
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/17話題】スラッシュがSlash Vプリカ SHOP開始、SECのSAB121覆す決議案が可決など

スラッシュが「Slash Vプリカ SHOP」開始、暗号資産でVプリカ購入可能に、米上院、SECの暗号資産会計ルール「SAB121」を覆す決議案を可決、インド証券取引委員会、暗号資産取引の監督に前向き、準備銀行とは対照的に、仏証券監督当局、投資家にBybitの無登録営業を警告、KuCoin、ナイジェリアの規制準拠に向け一部サービスを停止、米CME、ビットコイン現物取引の提供検討か=報道、リップル、「XRP Ledger」をコスモスのインターチェーンに接続、マスターカードがカーボンクレジットのトークン化における概念実証完了、スタンダードチャータード銀行らと、DTCC、大手銀行らとファンドのトークン化推進する「Smart NAV」の実証実験完了。チェーンリンク活用で