NOT A HOTELがGMOコインでIEO検討へ、暗号資産「NAC」で宿泊も

NOT A HOTELがGMOコインでIEO検討へ

NOT A HOTEL(ノットアホテル)が、IEO実施の検討開始を11月7日発表した。同社は、IEOによる資金調達に向けた新規暗号資産の販売検討に関する覚書を国内暗号資産(仮想通貨)取引所GMOコインと締結したという。

NOT A HOTELはIEOにより、不動産を裏付とするRWA(現実資産)トークン「NOT A HOTEL COIN(NAC)」を発行し、自社施設や開発用の土地を保有・運用するプロジェクト「NOT A HOTEL DAO」をスタートするとのこと。

またNOT A HOTELは同プロジェクト開始にあたり、完全子会社「NOT A HOTEL DAO株式会社」を設立。同プロジェクトは「NOT A HOTEL DAO株式会社」が運営を進めるという。なお同社は、今後法整備が整い次第、株式会社からDAO(分散型自律組織)へ移行することが検討されているとのことだ。

「NOT A HOTEL DAO」では、「NAC」発行によるIEOで調達した資金にて、NOT A HOTELの所有権や新規開発する為の土地を購入するとのこと。「NAC」はそれらの資産を裏付けとし、安定した資産価値の形成を目指すとのことだ。

また「NAC」は、NOT A HOTELのアプリから同トークンをステーキングすることで、「NOT A HOTELへ宿泊できる権利(宿泊権)」もしくは「NACの受け取り」といった報酬が得られるユーティリティを想定しているという。なお受け取れる宿泊権や「NAC」は、ステーキングする「NAC」量に応じて変動するとのことだ。

発表によるとNOT A HOTEL DAOの目的は「NOT A HOTELをみんなで保有して、みんなで利用できる仕組み」をつくることだという。NOT A HOTELの利用権の保有をより身近に、より多く提供することが狙いであるとのこと。

またNOT A HOTELを開発する土地の提供者やその土地の地元協力者、プロジェクトに参加するクリエイターもNOT A HOTEL DAOを通じて「NAC」を得る機会を創出するという。DAOに参加するメンバーへのアンケート等を実施しながら課題を抱えるエリアを開拓し、日本各地にある遊休地の利活用や観光、地域の活性化など加速させ、「NOT HOTEL DAO」で得た資金によって地方創生を実現するとしている。

なおその他、同プロジェクトの詳細なロードマップやサービス開発の進捗については、今後「NOT A HOTEL DAO」のウェブサイトにて開示していくとのことだ。

IEOとは

IEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)とは、企業等のブロックチェーンプロジェクト発行のトークンによる資金調達を暗号資産(仮想通貨)取引所が支援し、具体的には主体となって発行体のトークンを販売するモデルのこと。

過去国内においてIEOで販売された暗号資産は4銘柄ある。Hashpalette(ハッシュパレット)がコインチェックで実施した「パレットトークン(PLT)」と「FC琉球」がGMOコインで実施した「FCRコイン(FCR)」、フィナンシェがコインチェックで実施した「フィナンシェトークン(FNCT)」、オーバースがcoinbook(コインブック)およびDMM Bitcoinで実施した「Nippon Idol Token(NIDT)」だ。

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images:iStocks/Roman-Didkivskyi・Ket4up

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。