バイナンスとCZ氏、CFTC提訴の棄却求める

CFTCに提訴の棄却要請

米商品先物取引委員会(CFTC)が暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンスドットコム(Binance.com)を訴えた件で、バイナンスと同社CEOチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏は訴えの却下を求める申し立てを行ったことを7月27日明らかにした。

CFTCは3月、バイナンスとCZ氏、そして同社元最高コンプライアンス責任者のサミュエル・リム(Samuel Lim)氏について、商品取引所法および特定の関連連邦規制に違反し、規制当局の言うところの、「違法な」取引所および「見せかけの」コンプライアンス・プログラムを運営しているとして提訴した。

世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスは、CFTCの提訴が、米国外に居住し、米国外で活動する外国人個人及び法人を規制しようとするものであるため、却下されるべきだと主張。

またバイナンスは2007年のある判決文を引用し、「米国の法律は国内を支配するが、世界を支配するものではない」とも述べている。

なおバイナンスの持ち株会社はケイマン諸島にあり、CZ氏はカナダ国籍である。

CFTCの訴状によると、バイナンスは少なくとも2019年7月から、米国法に違反して「米国人のために商品デリバティブ取引を提供し、執行した」という。

バイナンスは答弁文で、2019年6月までに、Binance.comは潜在的な米国ユーザーを制限し、退会させ、新規ユーザーが米国人でないことを確認するための措置を実施し始めたと述べた。

「重要なことは、Binance.comが疑惑のデジタル資産デリバティブ商品の提供を開始したのは、2019年7月以降であり、潜在的な米国ユーザーを制限し、排除し始めた後である」とバイナンスは述べている。

リム氏は、同氏に対するCFTCの申し立てを却下するための別の申し立てを行っている。

ビットコインを含む商品およびデリバティブ市場の監督を担当するCFTCは、今回の申し立てについてコメントを拒否した。

バイナンスとCZ氏は6月にも、「web of deception:欺瞞の網」の運用の疑いで米証券取引委員会(SEC)から提訴されており、バイナンス及びバイナンスUSとCZ氏に対する13の容疑がかけられている。

関連ニュース

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Binance and its CEO seek dismissal of CFTC complaint
Reporting by Juby Babu and Shubham Kalia in Bengaluru; Editing by Tom Hogue and Jamie Freed
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/8話題】FTXが再編計画修正案を提出、グレースケールがイーサリアム先物ETFの申請を撤回

FTXが再編計画修正案を提出、債権者らへの支払い145~163億ドル見込む、グレースケール、承認可否判断前にイーサリアム先物ETFの申請を撤回、米SEC委員長、「暗号資産事業者の法順守監視はユーザー保護の一端を担っている」、ビットポイントに「ソラナ(SOL)」上場、ステーキングサービスも提供開始、豪州財務局が暗号資産取引所にユーザー情報を要求、税金取り締まりで、英レボリュート、プロトレーダー向け暗号資産取引所「Revolut X」開設、メタマスク、有害なMEVからユーザーを保護する機能「スマートトランザクション」追加、アスター、「Astar zkEVM」上でのTGE支援プログラム「TGE Catalyst Grant」発表、暗号屋とKlimaDAO JAPANが提携、地球環境に配慮した実証実験を実施へ、コロンビア大手銀行、暗号資産取引所「Wenia」立ち上げ=報道