アバランチ上DEX「Trader Joe」、レイヤーゼロ導入でJOEをクロスチェーン転送可能に

トレーダージョーがレイヤーゼロ導入

アバランチ(Avalanche)上の分散型取引所(DEX)トレーダージョー(Trader Joe)が、クロスチェーンメッセージングプロトコルであるレイヤーゼロ(LayerZero)の導入を2月6日に発表した。これによりトレーダージョーのネイティブトークンJOEが、複数のブロックチェーン間でブリッジ可能なマルチチェーントークンとなる。

トレーダージョーはマルチチェーン展開を進めており、アバランチの他に現在アービトラムワン(Arbitrum One)が対応しており、また3月末までにBNBチェーン(BNB Chain)へ展開することも発表されている。

トレーダージョーのレイヤーゼロの導入に伴い、トレーダージョーにおける手数料の支払いやステーキングに使用可能なJOEは、レイヤーゼロが定める「オムニチェーンファンジブルトークン(OFT)」規格に変換されたとのことだ。これにより対応するブロックチェーン間で1:1の転送が可能になったとのこと。

ユーザーはトレーダージョーの「Bridge」画面からJOEの転送を実行することが可能だ。

レイヤーゼロについて

レイヤーゼロは異なるブロックチェーン間でトークンの転送やメッセージの送信を可能にするプロトコルである。双方のブロックチェーンのスマートコントラクト機能、レイヤーゼロが提供するリレイヤー、チェーンリンク(ChainLink)が提供するオラクル機能を組み合わせることで、オンチェーンでトラストレスなブロックチェーン間転送を安全に行える仕組みとなっている(現時点ではレイヤーゼロが提供するリレイヤーはオープンソース化されていないため、厳密にはレイヤーゼロを信頼する必要がある)。

ラップドトークンを使用した一般的なトークンブリッジでは、ラップドトークンの原資産を管理するカストディアンが必要であり、ユーザーはカストディアンを信頼する必要がある。しかし、レイヤーゼロでは、ブリッジに必要なコントラクトの検証をリレイヤーとオラクルという独立した2つの観点から行うことにより、資産の仲介者を建てずに直接トークンを転送することを可能にしている。

なおレイヤーゼロのセキュリティについて、クロスチェーンプロトコル「ノマド(Nomado)」の開発者から1月31日に「重大な脆弱性がある」との指摘がなされたが、レイヤーゼロCEOのブライアン・ペレグリノ(Bryan Pellegrino)氏はこの指摘を否定している。

またアバランチは、レイヤーゼロのクロスチェーン技術を利用して、アバランチにブリッジされたビットコインである「BTC.b」を前述した「OFT」化したことを2022年11月に発表している。

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参考: Trader JoeLayerZero
デザイン:一本寿和

images:iStock/Wirestock

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。