経営破綻のFTX、50億ドル超の現金や証券を回収=弁護士

FTXが50億ドル超の現金や証券を回収

経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXが50億ドル(約6,587億円)超の現金や流動的な暗号資産(仮想通貨)、証券を回収したと、FTXの弁護士が1月11日に破産裁判所で行われた審理で判事に明らかにした。

さらに、簿価46億ドル(約6,060億円)相当の非戦略的投資資産を売却する計画とした。

ただ、法務チームが引き続き正確な内部記録の作成に取り組んでおり、実際の顧客の損失額は不明とした。米商品先物取引委員会(CFTC)は損失額を80億ドル(約1.5兆円)以上と推計している。

回収した50億ドルにはFTX創業者のサム・バンクマンフリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)被告がいたバハマ諸島の証券委員会が押収した資産は含まれていないという。 バハマ当局は押収した資産の価値を最大35億ドル(約4,611億円)と評価しているが、FTXの弁護士は最低1.7億ドル(約223億円)と推計。押収された資産の大部分はFTXが所有する流動性の低いFTTトークンで価格の変動が激しいとしている。

資産売却について

FTXは顧客利益のために今後数カ月で追加資金を調達できるようになった。これは判事が11日の審理で、関連会社売却検討手続きを求めるFTXの要請を認めたためだ。

FTXの裁判所提出書類によると、関連会社であるLedgerX、Embed、FTXジャパン、FTXヨーロッパはFTXグループから比較的独立しており、それぞれが独自の顧客口座と個別の経営陣を有している。

FTXはこれまで、いずれの会社売却にもコミットしていないが、数十件のオファーを受けており、来月からオークションを開催する予定としている。

米政府の破産監督者である連邦管財官は、FTXの詐欺疑惑の規模が完全に調査される前に関連会社を売却することに反対した。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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