香港がCARF導入へ、税務情報の自動交換は2028年から
香港立法会が、暗号資産(仮想通貨)の税務情報を自動交換する国際的な枠組み「暗号資産報告枠組み(Crypto-Asset Reporting Framework:CARF)」などを導入する税務条例の改正法案を可決した。香港政府が11月4日に発表した。
発表によると、香港では2027年からCARFを導入し、対象となるサービス事業者に同枠組みで定められた情報の収集を義務付けるという。香港税務局(Inland Revenue Department:IRD)は、2028年から協力先の国・地域との情報交換を開始する予定だ。
CARFは、経済協力開発機構(OECD)が2023年に公表した、暗号資産取引に関する税務情報を年次で自動交換するための国際基準だ。対象事業者が利用者や取引に関する情報を税務当局に報告する仕組みで、税の透明性向上や国境を越えた脱税への対応を目的としている。
香港税務局の説明によると、香港に税務上の居住地や事業拠点を持つなどの要件に該当し、顧客向けに暗号資産の交換サービスを提供する事業者などが報告義務を負う。報告対象の取引には、暗号資産と法定通貨の交換、暗号資産同士の交換、暗号資産の移転が含まれる。
事業者は、報告対象者の氏名・名称、住所、税務上の居住国・地域、納税者番号などに加え、暗号資産の種類ごとに集計した取引額や数量、取引件数などを報告する必要がある。
また、今回の改正法案には、金融口座情報の自動交換に関する「共通報告基準(Common Reporting Standard:CRS)」の見直しも含まれる。改正CRSは中央銀行デジタル通貨(CBDC)や一定の電子マネー商品、暗号資産を参照するデリバティブなどを対象に加えるもので、2028年に適用が始まる。改正基準に基づく金融口座情報の自動交換は2029年から開始する。
香港政府によると、情報交換は相互主義に基づき、データの機密性と安全性を確保したうえで行うという。香港税務局は事業者向けの指針を公表する予定で、技術面の支援や問い合わせに対応する専門チームも設けたとのことだ。
香港政府は10月5日の立法会財経事務委員会の政策説明会で、金融市場の規模拡大から、実体経済への貢献など金融の機能強化へ重点を移す方針を示した。具体策として、オフショア人民元の取引拠点としての機能強化や、金取引の基盤整備を挙げた。
暗号資産分野では、既存の取引プラットフォーム向けライセンス制度に加え、売買・保管・助言・運用サービス向けの制度も設ける計画だ。政府は、関連する条例改正案を2026年内に提出すると説明した。
参考:香港政府発表
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