博報堂DY子会社、World ID活用広告をLINEヤフー・Meta・Xなどで配信開始、TFH・LGと提携

博報堂DY子会社がWorld ID活用広告の配信拡大

博報堂DYホールディングス(Hakuhodo DY Holdings)の100%子会社で人間認証型広告事業を展開するアズ・フォー・ヒューマニティ(Ads for Humanity)が、LINEヤフー(LY Corporation)、メタ(Meta)、Xなどのプラットフォームへの人間認証型広告の配信を開始したと10月29日に発表した。

同社が配信する広告商品は、人間認証技術「ワールドID(World ID)」を活用した「ヒューマン・ベリファイド・アド(Human-Verified Ad)」だ。ワールドIDによって人間であることを確認した利用者を対象に広告を配信する仕組みで、ボットなどが広告の表示やクリックを偽装して広告費を不正に得る「アドフラウド」への対策を目的としている。

配信先の拡大にあたり、アズ・フォー・ヒューマニティは、デジタルマーケティング企業の博報堂DYワン(Hakuhodo DY ONE)が提供する生活者データ基盤「オーディエンスワン(AudienceOne)」を活用した。

アズ・フォー・ヒューマニティによると、利用者向けアプリ「ヒューマッド(Humad)」で人間認証済みであることを示す情報を、個人が特定されない形で活用し、広告配信向けのデータ基盤を構築しているという。ヒューマッドは8月からベータ版が提供されている。

人間認証型広告の効果については、アズ・フォー・ヒューマニティと博報堂DYワンが、ローソンエンタテインメント(Lawson Entertainment)の旅行予約サービス「ローチケ[旅行]」で比較検証を実施した。9月18日から10月17日までの同じ期間に、同じ広告素材を用いて従来の広告運用と比較した結果、クリック率は約3倍となり、クリック単価は約61%低下したと発表している。

また、アズ・フォー・ヒューマニティは、広告のターゲット層のうち、人間であることが確認された人の割合を示す新指標「ヒューマン・レート(Human Rate)」を提唱した。クリック率などの従来の指標とあわせて活用することを目指す。

アズ・フォー・ヒューマニティは同日、ワールドIDの開発を手がけるツールズ・フォー・ヒューマニティ(Tools for Humanity:TFH)と、韓国の電機メーカーLGエレクトロニクス(LG Electronics)との業務提携も発表した。

今回の業務提携では、TFHがワールドIDによる人間認証を担い、LGエレクトロニクスが広告の配信記録を改ざん困難な形で残すブロックチェーン技術を提供する。博報堂DYグループは、広告主・媒体社とのネットワークや広告配信・データ基盤を担う。

今後、アズ・フォー・ヒューマニティはLGエレクトロニクスと広告配信システムの共同開発・改善を進める。またTFHとは、ヒューマッドの開発・改善に取り組む方針だ。

なお、博報堂(Hakuhodo)は2025年7月から8月にかけて、TFH、LGエレクトロニクスと人間認証型広告の実証実験を実施し、同年10月14日に結果を発表した。その成果をもとに、博報堂DYホールディングスは今年4月にアズ・フォー・ヒューマニティを設立し、6月からヒューマン・ベリファイド・アドの販売を開始している。

画像:PIXTA

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。