子育てや食料品など、使途を限定した給付を想定
デジタル庁が、ステーブルコインやトークン化預金の公金給付への活用可能性を、技術面から検討する方針を示した。金融庁が10月19日に公表した「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」第1回会合の議事録に、同庁の説明が記載されている。会合は9月30日に開催された。
同会合でデジタル庁の蓮井智哉戦略・組織グループ統括官は、オンチェーン金融の「プログラマビリティ」を生かし、子育てや食料品など、特定の目的に給付金の使途を限定するような、きめ細かな給付を可能にする考えを説明した。これにより、給付行政の信頼性向上と効率化を図るという。
プログラマビリティとは、あらかじめ設定した条件に沿って、取引などをプログラムで自動処理できる性質を指す。ブロックチェーン上では、こうした処理にスマートコントラクトを活用できる。
デジタル庁は、これまで培ってきたデジタル空間での本人確認手法や、ウォレットのあり方に関する知見を生かす。関係省庁と連携し、外部の専門的知見も得ながら検討を進めるとしている。
現段階では活用可能性の検討であり、議事録では具体的な給付制度や対象者、使用するステーブルコインの銘柄、実施時期などは示されていない。
この検討は、政府が7月に策定した「成長投資を促進するための金融戦略」に基づく。同戦略は、AIエージェントが自律的に経済活動を行う時代を見据え、ブロックチェーン技術を基盤とするオンチェーン金融の推進を掲げている。デジタル庁によるステーブルコインやトークン化預金の公金給付への活用検討も、取り組みの一つに位置付けられている。
また蓮井統括官は、ステーブルコインの金銭に準じた利用可能性などについて、諸法令における取り扱いを整理する方針も説明した。この検討は、デジタル行財政改革会議事務局が担うこととされていたが、同事務局が9月1日にデジタル庁へ統合されたことに伴い、同庁が引き継いだものだ。「AIデジタル改革推進会議」で、省庁横断的に検討を進めるという。
同会合に参加した早稲田大学大学院経営管理研究科教授の根本直子氏は、地域通貨について、地域内の資金循環や公金給付の効率化などにメリットがあるとの見方を示した。一方、地域内に閉じると利便性や投資効果に課題があるとして、地域金融機関が相互に利用できる共通基盤の検討を求めた。
なお、同フォーラムは、オンチェーン金融の社会実装や金融機関等によるAIの健全な利活用に向け、関係省庁等が横断的に検討する場だ。金融庁は、フォーラム全体の取り組みについて、2027年初に中間整理と官民連携のロードマップを取りまとめる方針を示している。
参考:金融庁議事録
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