カザフスタン中銀とテザーら、テンゲ連動ステーブルコインの検討で覚書

アラタウ市で資産トークン化の実証も計画

米ドル建てステーブルコイン「USDT」を発行するテザー(Tether)が、カザフスタンの中央銀行であるカザフスタン国立銀行(National Bank of Kazakhstan:NBK)およびアラタウ市当局(Alatau City Authority:ACA)と覚書(MOU)を締結したと10月7日に発表した。

今回の覚書は、カザフスタンにおけるステーブルコインの開発や資産トークン化、分散型金融(DeFi)の可能性を3者で共同検討するものだ。

ステーブルコインの検討にあたり3者は、各国の発行モデルや想定用途を調査する。その上で、同国の法定通貨テンゲ(KZT)に連動するステーブルコインの構想と実証案を準備するとのこと。

また3者は、資産トークン化の枠組みを策定し、特別な法制度が適用されるアラタウ市での実証を計画するという。テザーのトークン化基盤「ハドロン・バイ・テザー(Hadron by Tether)」の活用も検討対象だ。

3者は中央銀行職員などを対象に、ステーブルコインの発行・準備資産管理や資産トークン化に関する研修も行うとのことだ。

今回の発表では、テンゲ連動ステーブルコインの発行決定や、発行・実証の具体的な日程は示されていない。

なお、資産トークン化とは、資産やその権利をブロックチェーン上のトークンとして表す仕組みだ。ハドロンは、テザーが2024年11月14日に提供開始を発表した資産トークン化基盤である。株式や債券、コモディティなどのトークン化と発行・管理を支援し、本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)などの機能を備える。

カザフスタンでは、デジタル資産の監督基盤の整備も進められている。国営通信社「カズインフォルム(Kazinform)」は2026年9月15日、中央銀行総裁の発言として、デジタル資産取引を分析・監視する「国家暗号資産分析センター(National Cryptocurrency Analytics Center)」の設立が進められていると報じた。同センターは中央銀行の監督基盤「サプテック(SupTech)」を基に構築され、取引に含まれる法定通貨と暗号資産(仮想通貨)の双方に加え、顧客情報やウォレット、トランザクションを分析するという。

またNBKのティムール・スレイメノフ(Timur Suleimenov)総裁は2026年3月6日、金・外貨準備から最大3億5,000万ドル(約552億8,250万円)を暗号資産関連資産に投資するためのポートフォリオとして組成したと明らかにしていた。投資対象には、暗号資産やデジタル金融資産に関連する企業の株式、インデックスファンドなどが含まれると説明した。

このほか「ブルームバーグ(Bloomberg)」は2025年11月7日、5億ドル(約789億7,500万円)から10億ドル(約1,579億5,000万円)規模の国家暗号資産準備基金を設立する計画を報じていた。資金には、押収・返還資産の一部や国営マイニング事業の収益を充てる計画だとされた。

参考:テザー
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。