テザーとファサナラ、4億ドルのプライベートクレジットファンド設立

テザーとファサナラ、4億ドルのプライベートクレジットファンド設立

米ドルステーブルコイン「USDT」発行元のテザー(Tether)と英資産運用会社ファサナラ・キャピタル(Fasanara Capital)が、プライベートクレジットファンド「ステーブルファンド(StableFund)」の立ち上げを9月9日に発表した。

同ファンドは、両社による計4億ドル(約614億円)の共同投資を基盤とする。さらに、第三者の機関投資家から最大30億ドル(約4,609億円)の資金調達を目指すとのこと。

プライベートクレジットとは、ファンドなどのノンバンクが企業に直接資金を貸し付ける金融手法を指す。ステーブルファンドは、機関投資家などから集めた資金を短期・資産担保型の融資に充てる。

同ファンドでは、ファサナラが投資運用会社を務め、同社のグローバルなフィンテック融資ネットワークを通じて資金を配分する。一方、テザーは共同スポンサーに加え、オリジネーターおよびアドバイザーを務め、USDTに関連する融資機会の発掘を担う。

またテザーは、法定通貨とステーブルコインを相互に交換するための仕組みや、資金管理・決済に用いる基盤などのステーブルコイン決済インフラを提供する。ステーブルファンドでは、USDTが60カ国以上で事業を展開するフィンテック・プラットフォームの中小企業および消費者向け融資フローに組み込まれる。テザーは同インフラを通じて、国境を越えた資金移動の効率化を図る。

ファサナラはロンドンを拠点とする資産運用会社で、運用資産総額は60億ドル(約9,218億円)を超える。同社はテクノロジーを活用したプライベートクレジットとアセットベースド・ファイナンス(Asset-Based Finance)を手掛ける。中小企業向け融資、消費者信用、売掛債権、サプライチェーン・ファイナンスなどに資金を提供してきた。

ステーブルファンドは、継続的な運用を前提とするエバーグリーン型として設計されている。第三者の機関投資家の参加に応じて、ファンドの規模を拡大できる構造だ。

テザーの発表では、世界のプライベートクレジット市場は現在約3兆ドル(約460.9兆円)規模で、2029年には5兆ドル(約768.2兆円)に達すると予測されている。また、世界の中小企業が抱える資金調達ギャップは推定5兆7,000億ドル(約875.7兆円)に上る。テザーはステーブルファンドについて、こうした企業に機関投資家の資金を振り向けることが目的と説明した。

参考:テザー
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

合わせて読みたい記事

【10/23話題】a16z Cryptoがa16z Frontierに改称、経産省がオフホワイトハッカーチーム設立へ、自民党が暗号資産の追跡強化提言など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告

アイルランド中銀、コインベース現地法人に約325万ユーロの制裁金。顧客資金保全などに不備

アイルランド中央銀行(Central Bank of Ireland)が、暗号資産(仮想通貨)取引所大手コインベース(Coinbase)の現地法人コインベース・アイルランド(Coinbase Ireland Limited)に対し、顧客資金の保全および業務委託管理に関する規制違反を理由に、325万2,618ユーロ(約5.7億円)の制裁金を科すことで合意したと10月22日に発表した