テザー、Xinbi Guarantee関連の約3927万USDT凍結

違法マーケットプレイス関連のUSDTを凍結

ステーブルコイン発行会社テザー(Tether)が、トロン(TRON)ネットワーク上の10アドレスに保管されていた約3,927万USDTを9月8日に凍結した。オンチェーン追跡プラットフォーム「ミストトラック(MistTrack)」が同日報告した。

ミストトラックによると、凍結された10アドレスは、中国語圏の保証(エスクロー)マーケットプレイス「シンビ・ギャランティー(Xinbi Guarantee:新幣担保)」に関連するものだという。凍結対象となったUSDTは合計39,273,713USDTで、うち1つのアドレスには1,000万USDT超が保管されていた。

なおテザーは今回の凍結について、理由や法執行機関からの要請の有無などを公式には明らかにしていない。

シンビ・ギャランティーは2022年に設立されたマーケットプレイスで、詐欺やマネーロンダリングなどに関連するサービスや商人をつなぐプラットフォームとして利用されてきたという。

ブロックチェーン分析企業TRMラボ(TRM Labs)は、シンビを東南アジア最大級の違法暗号資産マーケットプレイスの1つと位置付けている。同社が2026年3月に公表した分析によると、シンビの2022年の設立以降の総取引量は、約242億ドルに達したと推計されている。

また英国政府は今年3月26日、東南アジアの詐欺拠点(スキャムコンパウンド)の活動を可能にし、深刻な人権侵害から利益を得ていたとして、シンビを運営するXinbi Company Limitedを制裁対象に指定した。英国政府によると、同国はシンビに制裁を科した最初の国だという。

なおテザーは過去にも、シンビと同様にテレグラム(Telegram)上で展開されていた保証サービス「フイワン・ギャランティー(Huione Guarantee:匯旺担保)」に関連するUSDTを凍結している。

ミストトラックは今回の措置について、フイワン・ギャランティー関連資金の凍結に続く、違法なエスクローサービスへの取り締まりの動きとの見方を示している。

USDTには、発行者であるテザーが特定のアドレスを凍結する機能が実装されている。対象アドレスがブラックリストに指定された場合、そのアドレスが保有するUSDTの移転が制限される。

一方、今回の約3,927万USDTの凍結が、シンビのネットワーク全体の停止につながるかは不明だ。 TRMラボは、シンビが過去の規制措置に対しても活動を継続してきたと指摘している。シンビは2025年5月にテレグラム上の関連チャンネル群を禁止された後も、同サービス上での活動を再構築した。また、メッセージングサービス「セーフダブリュー(SafeW)」やウォレットサービス「ニューペイ(NewPay)」など、別のインフラへの移行も進めたとのことだ。

なお記事執筆時点で、今回の凍結理由や法執行機関からの要請の有無を説明するテザーの公式発表は確認できていない。

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者