セキュリタイズとSocios[.]com、プロスポーツチームの少数持分トークン化で提携

「Socios Equity Token」ブランドの商品を共同開発へ

トークン化資産プラットフォームを提供するセキュリタイズ(Securitize)と、スポーツファントークンプラットフォーム「ソシオスドットコム(Socios.com)」を展開するチリーズグループ(The Chiliz Group)が、プロスポーツチームの少数持分を対象とした規制準拠のトークン化商品の共同開発に向けた戦略的パートナーシップを9月2日に発表した。

両社は同パートナーシップのもと、スポーツチームや既存オーナー、機関投資家と連携し、チームの少数持分を対象とする商品を「ソシオス・エクイティ・トークン(Socios Equity Token)」ブランドで組成・トークン化する計画だ。実施にあたっては、適用される証券法、各リーグの要件、クラブの承認、各法域における提供制限に従うとしている。

役割分担としてソシオスドットコムは、スポーツ業界との関係構築と、ファン向けエンゲージメント機能の開発を担う。セキュリタイズは、規制対象証券の発行、投資家のオンボーディング、所有者記録の管理、移転制限、発行後の継続的な管理を、適切な認可を受けた関連会社を通じて担当するという。

発表によると、今回の取り組みは、EU(欧州連合)の「DLTパイロット制度(DLT Pilot Regime)」に基づき認可されたセキュリタイズの欧州取引・決済システム(Trading & Settlement System:TSS)を通じた初のトークン化プロジェクトになる見込みだ。セキュリタイズは欧州と米国の規制対応インフラを活用する。

両社によると、世界のプロスポーツフランチャイズの総価値は推定5,000億ドル(約79兆5,000億円)に上る一方、チームの所有権の大半が非公開市場にあり、少数持分は取得や売買が難しいという。ソシオス・エクイティ・トークンでは、その価値の一部を規制対応したインフラ上でオンチェーン化し、チームやオーナー、投資要件を満たす投資家にとってのアクセスや価格発見の改善を目指す。

想定する対象は、応援するチームと経済的な関係を持ちたいファンのうち各募集の投資家要件を満たす層と、プロスポーツを高価値のオルタナティブ資産として投資対象にしたい機関投資家およびプライベートエクイティ投資家だ。

なお、ソシオスドットコムが70を超える主要スポーツ団体と展開してきた「ファントークン(Fan Token)」と、ソシオス・エクイティ・トークンは別の商品となる。ファントークンがファン参加やユーティリティに重点を置くのに対し、ソシオス・エクイティ・トークンは各募集の開示書類に基づく、規制対象の金融上の持分を表すものになる予定だ。

チリーズグループ(The Chiliz Group)およびソシオスドットコムの創業者兼CEOであるアレクサンドル・ドレフュス(Alexandre Dreyfus)氏は、ソシオスドットコムのスポーツ業界におけるネットワークとセキュリタイズの規制対応インフラを組み合わせ、投資要件を満たす投資家に新たな機会を提供していく考えを示した。

セキュリタイズ共同創業者兼CEOのカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏は、規制対象証券に求められる投資家保護と保有者の権利を確保しながら、スポーツチームとそのオーナーに持分を発行・管理する新たな手段を提供できると述べている。

参加チーム、募集条件、投資家要件、対応ブロックチェーンは未発表で、個別の募集が承認された場合に公表される予定だ。ソシオス・エクイティ・トークンは現在開発中で、購入や投資はまだできない。商品設計やトークンの機能、保有者の権利、提供地域、開始時期は今後変更される可能性がある。

参考:プレスリリースチリーズ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。