カリフォルニア州、公職者による「ミームコイン」発行禁止法案が議会通過

成立すれば2027年1月1日から禁止

米カリフォルニア州議会が、公職者や一部の公務員による「ミームコイン」の発行を禁止する法案「AB2409」を可決した。

同法案は8月26日、州上院で40対0で可決された。同日、上院で加えられた修正について州下院が78対0で同意し、8月30日付で最終法案化(Enrolled)された。

AB2409は、民主党のアヴェリーノ・バレンシア(Avelino Valencia)州下院議員が2026年2月20日に提出した法案だ。

同法案はカリフォルニア州政府法典(Government Code)に新たな規定を追加し、公職者などによるミームコインの発行を禁止するとともに、デジタル資産サービス提供者による一定の公職者関連ミームコインの州民向け上場を規制するものだ。

法案では、州・地方自治体の選挙で選出された公職者や、任命された公職者のほか、入札や契約に関する意思決定権を持つ州・地方政府の職員がミームコインを発行することを禁止する。

またデジタル資産サービス提供者に対しては、2027年1月1日以降に発行されたミームコインのうち、連邦、州、地方政府の公職者が提供するもの、または公職者との提携により提供されるものについて、カリフォルニア州民向けに販売または購入のために上場することを禁止する。

法案では「ミームコイン」について、インターネットミーム、公人、フィクションのキャラクター、動物に関する文化的現象、時事的な出来事、共有されたユーモア、著名人、注目を集める人物・出来事、社会的トレンドなどとの関連性を主な根拠としてマーケティングまたは認識され、その価値が主として世間の関心、投機、コミュニティの関与から生じるデジタル資産と定義している。

AB2409では、法案の立法趣旨として、公職者は与えられた権限を私的な金銭的利益のために利用してはならないとの考えが示されている。

また、公職者による金融商品の発行や宣伝は政府への信頼を損ない、利益相反や「pay-to-play(見返りを伴う利益供与)」、搾取、腐敗した外国勢力による影響などのリスクを生じさせる可能性があるとしている。

そのうえで、公職はカリフォルニア州民全体の利益のためにのみ行使されるべき「公共の信託(public trust)」であるとの立場を示している。

カリフォルニア州司法長官(Attorney General)は、同法に違反した者に対し、違反行為の差し止めや不当利得の返還(disgorgement)を求める民事訴訟を提起できる。

また地方検事(district attorney)、市顧問弁護士(city attorney)、郡顧問弁護士(county counsel)についても、公職者や対象となる公務員によるミームコイン発行禁止規定を執行するため、民事訴訟を提起できるとしている。

米国では近年、政治家や著名人と関連するミームコインをめぐり、利益相反などの問題が議論されている。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に関連するミームコイン「Official Trump(TRUMP)」などの登場を受け、公職者が自身の知名度や政治的影響力と結びついた暗号資産から経済的利益を得ることへの懸念も浮上している。

参考:発表 
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者