BTC資産活用プログラムで約1,600BTC売却
米ナスダック上場のビットコイントレジャリー企業ストラテジー(Strategy)が、保有ビットコイン(BTC)1,638BTCを売却したと、米証券取引委員会(SEC)への提出書類(フォーム8-K)で8月3日に開示した。売却代金のうち、5,240万ドル(約83億円)は優先株の配当支払い、5,230万ドル(約82億円)は同社の優先株「STRC」の買い戻しに充当された。
ストラテジーは7月27日~8月2日にかけて1,638BTCを平均6万3,957ドル(約1,008万円)で売却し、1億473万ドル(約165億円)を調達した。これにより、8月2日時点の同社のBTC保有枚数は84万2,138BTCとなった。
なお同期間中、ストラテジーはSTRCを91万2,143株、総額8,120万ドルで買い戻した。買い戻し資金にはBTC売却代金の5,230万ドルに加え、MSTR普通株の売却代金から2,890万ドルが充当された。
STRCは、ストラテジーが資金調達に活用する変動配当型永久優先株の一つだ。同社は2025年7月にSTRCを発行して以降、STRCなどの優先株や転換社債を発行して調達した資金でBTCを購入する財務戦略を進めてきた。
ストラテジーは今年、STRCなどを活用した資金調達を本格化させたものの、STRCは基準額(stated amount)100ドルを下回る水準で推移していた。そこで同社は6月29日、STRCについて、2026年7月1日以降を権利確定日とする半月ごとの期間から年率配当を11.50%から12.00%へ引き上げると発表した。この配当率引き上げは、基準額100ドルに近い99~100ドルの価格帯でSTRCが取引される状態の実現を目指すものだという。
またストラテジーは6月29日、資本管理方針「デジタル・クレジット資本フレームワーク(Digital Credit Capital Framework)」も併せて発表した。これは、保有するBTCを必要に応じて資本管理にも活用できる体制へ移行する取り組みだ。
具体的には、「BTC Monetization Program(BTCマネタイゼーション・プログラム)」を導入。保有BTCを売却し、最大12億5,000万ドルをUSDリザーブに充当するほか、優先株配当・利払い、デジタル・クレジット証券および普通株式の買い戻しに充当できる仕組みを設けた。
BTCマネタイゼーション・プログラム公表前には、6月下旬にストラテジー独自の企業価値指標「mNAV」が一時1倍を下回るなど、同社の資金調達環境に変化が生じていた。mNAVが1倍を下回ると、普通株を発行しても既存株主の希薄化に見合う資金を調達しにくくなるとされる。ストラテジーのフォン・レ(Phong Le)CEOは昨年11月、mNAVが1倍を下回り、かつ新たな資金調達手段が途絶えた場合には、BTC売却が「数学的に合理的な財務判断」になり得ると説明していた。さらに同氏は、BTC売却は「資金調達手段が完全に閉ざされた場合の最後の選択肢」とも位置付けていた。
ただし今回の売却期間中、同社はMSTR普通株301万1,361株を売却し、2億9,060万ドルを調達している。このため、今回のBTC売却は他の資金調達手段が完全に閉ざされたことによるものではなく、6月29日に導入した新たな資本管理方針に基づくものとみられる。今回開示されたBTC売却の代金は、優先株の配当支払いおよびSTRCの買い戻しに充当したとのこと。その資金使途はBTCマネタイゼーション・プログラムで想定された用途と一致している。
なおストラテジーは、同プログラムを導入した6月29日から7月5日にかけても、合計3,588BTCを売却し、7月6日に開示している。内訳は6月29~30日の1,363BTCと、7月1~5日の2,225BTCだ。これは同プログラム導入後、初めて開示されたBTC売却となった。
これに先立ち、同社は5月26~31日にも32BTCを売却し、6月1日に開示していた。これは2022年12月以来、同社が開示した初のBTC売却だった。
Strategy increased its USD Reserve by $250M and repurchased $81M of $STRC. This increased USD Duration by 57 days to 2.3 years and tightened STRC’s BTC Credit by 5 bps. As of 8/2/26, we hold ₿842,138 in our BTC Reserve and $4.0B in our USD Reserve. $MSTRhttps://t.co/zzra7RL5Zg
— Strategy (@Strategy) August 3, 2026
参考:ストラテジー
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