ソラナで米自動車ローン利回りトークン「AUTO」提供開始、ハストラがフィギュアらと展開

米自動車ローンの利回りをオンチェーンへ

RWA(現実資産)に裏付けられた利回り商品を提供するマルチアセット型資本市場プロトコルのハストラ(Hastra)が、米国のニアプライム層向け自動車ローンから生じる利回りへのエクスポージャーを提供するトークン「AUTO」の提供開始を7月30日に発表した。同トークンはソラナ(Solana)で利用できる。

ニアプライム層とは、信用力が最上位のプライム層には届かないものの、一定の返済能力を持つ借り手を指す。AUTOでは、こうした借り手向け自動車ローンから生じる利回りをオンチェーンで提供する。

AUTOは、ハストラが提供する利回り商品としては「PRIME」に続く2つ目の商品だ。PRIMEは、米国でローンの組成やトークン化基盤を展開するフィギュア(Figure)が組成した、住宅担保信用枠(HELOC)を裏付けとする融資プールから生じる利回りへのエクスポージャーを提供する商品として展開されてきた。

今回のAUTOで新しいのは、ハストラにとって初の第三者組成資産クラスとなる点だ。PRIMEの基礎となるHELOCはフィギュアが自ら組成する一方、AUTOの自動車ローンは、米国で自動車ローンの組成・取得を手掛けるアゴラ・データ(Agora Data)が組成している。アゴラ・データは、ローンの引受審査やサービシングも担う。

その実現を支えているのが、フィギュアのトークン化基盤「フィギュア・フォージ(Figure Forge)」だ。アゴラ・データが組成した自動車ローンは、フィギュア・フォージを通じて標準化された形でローン資金調達マーケットプレイス「デモクラタイズド・プライム(Democratized Prime)」へ供給される。ハストラは、その市場から生じる利回りへのアクセスをAUTOとしてソラナで提供する。AUTO保有者は、米国の自動車ローンから生じる利回りに連動したリターンをオンチェーンで受け取れる仕組みとのこと。

またAUTOは、複数のDeFiプロトコルと連携する。ソラナのDeFiプロトコル「カミノ(Kamino)」では、AUTOを活用したレンディングやループ運用を利用できる。分散型取引所(DEX)「オルカ(Orca)」がAUTOの取引と流動性提供に対応する。セントラ(Sentora)がボールトのキュレーション、ロッカウェイX(RockawayX)がマーケットメイクを担う。価格データ基盤には、チェーンリンク(Chainlink)の「チェーンリンク・データ・ストリームズ(Chainlink Data Streams)」が採用されている。

ハストラは、AUTOを複数の資産クラスに対応するオンチェーン利回り商品の拡大に向けた第一歩と位置付けている。今後はイーサリアム(Ethereum)などEVM互換チェーンへの展開に加え、企業向け売掛債権や中小企業向け融資など、フィギュア・フォージを通じて取り込む、新たな資産クラスへの対応も進める予定とのこと。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。