MUFGがブロックチェーンシステム「Trakk(トラック)」を活用した商品貿易金融取引に成功

MUFGがブロックチェーンシステム「Trakk(トラック)」を活用した商品貿易金融取引に成功

MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)が文書の監査証跡を構築する独自のブロックチェーンシステムであるTrakk(トラック)を使用して、商品貿易金融取引に成功したことを発表した。Trakkを開発したのはKomgo社。Komgoは様々な貿易金融デジタルプラットフォームを開発している。ちなみにMUFGはKomgoに出資をしていて、Komgoはこれまで約10億ドルの資金調達を行なっている。

Trakkはデジタルドキュメントに判子を押し、追跡し、認証することができるプラットフォームだ。さらにドキュメントに登録された履歴は、企業と履行義務を果たす権限を与えられた企業・個人の両方にリンクされる仕組み。そしてデジタルドキュメントの背後にユニークで不変の監査証跡を構築することができるとのこと。

今回の取引でMUFGはTrakkを利用して、商品取引会社であるMercuria Energy TradingがGunvor Groupから原油を購入した際の取引を実行した。そしてこの取引では認証された売買契約書、信用状、購入書類が、Trakkに格納され、権利移転が行われたようだ。

MUFG EMEAコモディティおよびストラクチャード・トレード・ファイナンスの責任者であるJean-Marie Le Fouest(ジャン=マリー・ル・フエスト)氏は「市場規模4兆ドルにおよぶ現物商品取引市場は、ほとんどすべての取引が紙と電子メールで取引されています。しかしこれからは現物商品取引業界のプロセスを革新し続け、新しいテクノロジーを活用して業界を前進させることがとても重要です。TrakkをKomgoプラットフォーム上で使用することの多くの実用的な利点を実証した今回の取引で、当社のクライアントであるMercuriaとGunvorをサポートできたことは、大変光栄なことでした」とコメントしている。

編集部のコメント

KomGoは2018年にMUFG含めその他銀行、コモディティトレーダー、エネルギーメジャー、認証会社など14のグローバル機関によって設立されたジュネーブに拠点の企業です。

Komgoのプラットフォームでは、信用状、待機信用状、債権割引などの貿易金融商品も提供しています。さらに中央データベースを使用せずにKYCプロセスを標準化するKnow Your Customer (KYC)コンプライアンスソリューションも提供しています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/xu-bing・tampatra)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

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