セキュリタイズ、ティッカー「SECZ」で7/2にNYSE上場へ。約4億ドル調達見込み

セキュリタイズが7月2日にNYSE上場予定

現実資産(RWA)のトークン化インフラを提供するセキュリタイズ(Securitize)が、特別買収目的会社(SPAC)との事業統合により約4億ドル(約644億円)の資金を調達(グロス収入:取引費用控除前)する見込みになったと6月26日に発表した。

今回セキュリタイズが進めているのは、SPACのキャンター・エクイティ・パートナーズII(Cantor Equity Partners II:CEPT)との事業統合による上場だ。SPACは、未上場企業との統合を目的として設立された上場企業で、統合に反対する投資家は、保有株式をSPACへ買い取ってもらう「償還(Redemption)」を選択できる。

今回、CEPT株主のうち償還を選択した割合は30%未満だった。この結果、事業統合後の会社へ引き継がれる資金が多く残る見込みとなり、セキュリタイズはPIPE(機関投資家などによる私募増資)と合わせて、取引費用控除前で約4億ドル(約644億円)の総調達額を見込んでいるという。

なおセキュリタイズ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏は、自身のXアカウントで、SPACによる上場を検討していた際、周囲から「やめた方がいい。PIPEは集まらず、SPACでは平均95%の株式償還が発生するため、現金をほとんど確保できない」と言われていたことを明らかにした。一方で今回は2億2,500万ドル(約364億円)のPIPE調達に成功し、株式償還率も30%未満だったことから、「7月2日に4億ドル超の資金を確保した状態でNYSEへ上場する」と同氏は述べている。

今回の事業統合は、6月29日に予定されているCEPT株主総会で承認され、その他の通常のクロージング条件が満たされた場合、7月1日に完了する予定だ。統合後の新会社「セキュリタイズ・コープ(Securitize Corp.)」は、7月2日にニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange:NYSE)へティッカー「SECZ」で上場する予定となっている。

なおセキュリタイズは、現実資産(RWA)のトークン化インフラを提供する企業だ。同社によると、2026年6月時点の運用資産(AUM)は40億ドル(約6,470億円)を超えている。また、ブラックロック(BlackRock)やアポロ(Apollo)、BNY、ハミルトン・レーン(Hamilton Lane)、KKR、ヴァンエック(VanEck)などと提携し、トークン化ファンドを提供している。

同社は今年3月、NYSEとのトークン化証券市場向けインフラの整備に向けた協業を発表した。この協業では、NYSE関連のトークン化証券プラットフォームにおいて、企業や上場投資信託(ETF)の発行体向けにブロックチェーンベースの証券を発行できる最初のデジタル名義書換代理人を務める予定となっている。

また同社は5月、トークン化証券のカストディおよびアトミック決済を可能にする承認を金融業規制機構(Financial Industry Regulatory Authority:FINRA)から取得した。これにより、通常のブローカーディーラーの枠組みでトークン化証券のカストディや、トークン化証券とステーブルコインを同時交換するアトミック決済などを提供できるようになった。

 

参考:発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。