英中銀、ステーブルコイン保有上限の代替策を検討。6月に規則草案公表へ

BoEがステーブルコインの保有上限に代わる規制の草案を来月公表か

イングランド銀行(Bank of England:BoE)は、ステーブルコインの保有上限に代わる規制案を検討しており、6月に規則草案を公表する予定だ。BoEが5月19日に明らかにした。

BoEのサラ・ブリーデン(Sarah Breeden)副総裁は「シティウィーク2026(CityWeek 2026)」で、発行可能なステーブルコインに上限を設けることで、銀行の貸出に同技術が与える影響への懸念に対応できる可能性があると述べた。また、その方が保有上限よりも、業界にとって低コストになる可能性があると話した。

BoEはこれまで、日常的な決済で広く利用される英ポンド建てステーブルコインについて、個人あたり2万ポンド(2万6,786ドル、約426万円)、企業あたり1,000万ポンド(約21億2,803万円、約21.3億円)の保有上限を導入する方針を示していた。これに対し、業界から反発が出ていた。

ステーブルコインは通常、米ドルやその他の主要通貨に一定の比率で連動するよう設計されており、国内外の決済において既存の銀行システムに代わる手段となることを目指している。

BoEは、銀行預金がステーブルコインへ急速に流出した場合、金融安定を損ない、信用収縮を招くおそれがあると懸念している。

暗号資産(仮想通貨)業界は、BoEの提案について、世界でも最も厳格な規制案の一つだと主張してきた。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の下で米国が暗号資産を受け入れる姿勢を強めたことにより、英国は同分野の規制計画が競争力を維持できているかを評価する必要に迫られている。

米暗号資産取引所運営のコインベース(Coinbase)の英国政策責任者であるケイティ・ハリーズ(Katie Harries)氏は、ステーブルコインの発行上限について、「上限がどこに設定されるかによっては、より実行可能なものになるかもしれない」と述べた。一方で、「重要なのは、BoEがなお検討しているような形で、イノベーションに上限を設ける必要があると判断している法域は他にない」と指摘した。

英国暗号資産ビジネス協議会(UK Cryptoasset Business Council)のエグゼクティブディレクターであるサイモン・ジェニングス(Simon Jennings)氏は、BoEが保有上限の代替策を検討していることは前向きだと述べた。ただし、介入措置は当初から上限や制限を課すのではなく、監督上のデータや指標に結び付けるべきだとした。

ブリーデン氏によると、BoEは6月に規則草案を公表し、「米国のスケジュールに沿って」年末までに最終化する予定だ。

また同氏は、銀行について、親会社のブランドを「参照」することはできるものの、明確に区別されたブランドを用い、預金受入を行わない事業体から発行する限り、ステーブルコインを発行できると付け加えた。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
BoE weighs alternatives to stablecoin holding limits following industry pushback
(Reporting by Phoebe Seers; Editing by Mark Potter and Emelia Sithole-Matarise)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。