アダムバック、量子耐性移行で「サトシ保有BTC可視化」可能性を示唆=報道

未移動コインは「喪失扱い」の可能性

米ブロックストリーム(Blockstream)CEOのアダム・バック(Adam Back)氏が、ビットコインの量子耐性アドレスへの移行について「サトシ・ナカモトが今も保有しているコインの数の推定精度を高める可能性がある」との見解を示した。各社が4月17日に報じた。

バック氏は4月17日、パリで開催された「Paris Blockchain Week」に登壇し、将来的なポスト量子移行について言及した。同氏は、量子コンピュータの脅威にさらされやすい旧来のアドレス形式でビットコインを保有するユーザーは、資産を守るために新しいアドレス形式へ移動させる必要があると説明。移動されなかったコインは「失われたもの」として合理的に扱える可能性があると述べた。

バック氏によると、サトシ・ナカモトが保有するとされるビットコインは推定50万〜100万BTCにのぼるという。またブロックチェーンデータプラットフォームのアーカム(Arkham)は、サトシ関連ウォレットの保有量を109万BTCと推計しており、現時点の評価額は約816億ドル(約13兆30億円)に相当する。

バック氏は、ビットコインの署名を脅かすほどの量子コンピュータの実現には少なくとも20年はかかるとの見通しを示した。現在の量子コンピュータは「5ドルの計算機より性能が低い」とも述べ、差し迫った脅威ではないと強調。一方で、量子コンピュータはスケールするほどエネルギー消費などの課題が顕在化するとも指摘した。

こうした時間的余裕があるため、開発者やユーザーはハッシュベースの署名を基盤とする量子耐性標準への移行に向けた準備を十分に進められるとバック氏は主張している。

バック氏が率いるブロックストリーム・リサーチ(Blockstream Research)は2025年12月、ECDSAおよびシュノア署名の量子耐性代替案として、ハッシュベースの署名方式を提案する論文を発表。現在ビットコインのネットワーク設計で使われているハッシュ関数の前提のみにセキュリティが依拠する方式で、「ポスト量子時代におけるビットコインのセキュリティ確保に向けた有望な道筋」を示すものとして注目されている。

なお、量子脆弱なアドレスのコインの移動を将来的に制限することを目的とした「BIP361」のドラフト提案が4月16日にサイファーパンクのジェームソン・ロップ(Jameson Lopp)氏ら6名の共著者によって公開されており、コミュニティで議論を呼んでいる。

参考: 報道サトシアドレス論文
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者