サークル、USDC凍結は「法的義務」と説明。ドリフト流出受け見解

USDC凍結対応めぐる議論の中、制度面の課題も指摘

米サークル(Circle)の最高戦略責任者(CSO)でありグローバル政策・オペレーション責任者を務めるダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)氏が、同社発行の米ドル建てステーブルコイン「USDC」に関する凍結対応についての見解を4月10日に同社公式ブログで示した。

今回の見解は、日本時間4月2日に発生したソラナ(Solana)上の分散型取引所ドリフト(Drift Protocol)のインシデントを巡る対応の批判を受けたものだ。同インシデントでは、約2億7,000万ドル(約431億円)超の損失が報告されている。

こうした中、今回のインシデントを巡っては、オンチェーン探偵のザックXBT(ZachXBT)氏が4月2日に自身のXアカウントで、不正に取得されたUSDCがサークル提供のクロスチェーン転送プロトコル「CCTP(Cross-Chain Transfer Protocol)」を通じて移動していたにもかかわらず、同社が凍結などの対応を行わなかった点について指摘していた。

ザックXBT氏は、オンチェーンデータをもとに、数億ドル規模のUSDCがソラナからイーサリアム(Ethereum)へ移動したとし、対応のあり方に疑問を呈している。

こうした批判を受け、ディスパルテ氏はサークル公式ブログで、USDCの凍結は単一の主体による恣意的な判断で行うものではなく、当局による法的手続きを通じて対応が求められた場合に限られるとの考えを示した。 さらに同氏は、USDCは米国およびEUの法令に基づく規制対象の金融商品であり、資金凍結はコンプライアンス上の義務だとしている。

その上で、オープンな金融システムにおいては「オープン性」と「説明責任」の両立が必要だとし、プロトコル、ウォレット、取引所、発行体など、複数のレイヤーでの協調的な対応が重要だと述べた。

またディスパルテ氏は、USDCは技術的には迅速な介入を行う手段が存在する一方で、財産権やプライバシーを保護しながら迅速な対応を可能にする法的枠組みが十分に整備されていない点を指摘した。同氏はこの「法とスピードのギャップ」を政策課題として位置付けた。

さらに同氏は、米国で検討が進むステーブルコイン関連法案「ジーニアス法(GENIUS Act)」や市場構造に関する「クラリティ法(CLARITY Act)」について、こうした課題に対応するための重要な機会になるとの見解を示している。

 参考:サークル
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者 ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。