ユニスワップが開発者向けツール「Skills」を整備
分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発会社であるユニスワップラボは、ユニスワップの主要なプロトコル操作をAIエージェントが構造化された形で実行できる開発者向けツール群「スキルズ(Skills)」を公開したと2月21日に発表した。
スキルズは、トークンのスワップや流動性管理、スマートコントラクトの設定・展開といったユニスワップの中核機能に、AIエージェントや自動化ツールが直接アクセスできるようにするための実行インターフェースだ。同社はこれを、オンチェーンにおける「エージェント型ワークフロー」の出発点と位置付けている。
ユニスワップはこれまで、ユーザーがウォレットを操作し、UI(ユーザーインターフェース)を通じて取引を行うことを前提とした設計を採ってきた。一方、近年は価格監視や取引執行、流動性調整などを自律的に行うAIエージェントの活用が広がっており、エージェントが安全かつ再現性をもってオンチェーン取引を実行できる基盤整備が課題となっていた。
今回公開されたスキルズは、こうした課題に対応するものだ。ギットハブ(GitHub)上で公開された「ユニスワップAI(Uniswap AI)」リポジトリでは、スキルズを含むAI向け開発ツールがオープンソースとして提供されている。開発者はコマンドラインツールを用いて、エージェントに必要なスキルを選択し、必要な機能が組み込める。
スキルズは7つで構成され、ユニスワップv4向けフック開発のセキュリティガイド(v4 Security Foundations)、継続的クリアリングオークション(Continuous Clearing Auction:CCA)のパラメータ設定(CCA Configurator)とコントラクト配備(CCA Deployer)、Trading API・Universal Router・スマートコントラクト経由のスワップ統合(Swap Integration)、viem/wagmiを用いたEVM連携(viem Integration)、スワップとLPポジションの計画およびディープリンク生成(Swap Planner・Liquidity Planner)などが含まれる。
同リポジトリの特徴の一つは、特定のAIモデルや開発環境に依存しない設計を採用している点だ。ツール群は「Agent-agnostic」を掲げ、特定のLLMや特定のコーディングエージェントに固定しない方針が示されている。
今回の取り組みは、DEXを「人が操作する取引所」から、「ソフトウェアやエージェントが直接接続する金融インフラ」へと拡張する動きと捉えられる。従来も自動取引ボットは存在していたが、公式に定義された実行単位が提供されることで、取引の安全性や再現性を高める効果が期待される。
なお、AIエージェントを巡っては、取引の実行に加えて、資産管理や決済といった周辺基盤の整備も進みつつある。
今年2月には、米暗号資産(仮想通貨)取引所の「コインベース(Coinbase)」が、開発者向けに「Agentic Wallets」を発表し、AIエージェントが自律的に資産を管理・取引できるウォレット基盤を提示した。また、米オンライン決済大手の「ストライプ(Stripe)」も、x402をPaymentIntents APIに統合した「機械決済」プレビューを通じ、AIエージェント向けの課金・決済機能を試験的に提供している。
ユニスワップラボは、スキルズを足がかりに、AIエージェントがオンチェーンで活動することを前提とした開発者エコシステムの整備を進めていく方針だとしている。
Agents execute on Uniswap
— Uniswap Labs 🦄 (@Uniswap) February 20, 2026
We’ve released seven new Skills giving structured access to core Uniswap protocol actions
Your starting point for agentic workflows onchain pic.twitter.com/tARu24eOuE
参考:GitHub
画像:iStocks/hqrloveq・paitoonpati