英領バミューダ政府、国家経済のオンチェーン化構想を発表。サークルとコインベースが支援

バミューダがUSDC活用を軸に国家経済のオンチェーン化を検討

英領バミューダ政府が、サークル(Circle)とコインベース(Coinbase)の支援を受け、同地域を「完全オンチェーン型の国家経済」へ転換する構想を世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)年次総会で発表した。同件は、1月19日にサークルのプレスリリースで伝えられた。

サークルの発表によると、この構想はデジタル資産を日常的な金融インフラとして活用することで、決済コストの低減や金融アクセスの向上を図るとのこと。政府機関、現地の銀行、保険会社、中小企業、消費者を対象に、オンチェーン技術を用いた金融インフラを段階的に導入する方針だという。

同社は、バミューダが起業家精神の強い経済構造を持つ一方、島嶼(とうしょ)地域という特性から、従来の決済レールでは高い手数料や制約を受けやすい点を課題として挙げている。現地では、従来の銀行決済や決済事業者に依存してきたことで手数料負担が重く、加盟店の利益を圧迫する状況が続いてきたという。

こうした背景のもとバミューダ政府は、デジタル資産を日常の金融インフラとして活用する「オンチェーン経済」を新たな選択肢として位置付けている。オンチェーン経済とは、デジタル資産を用いてより迅速かつ低コストで取引を行う仕組みを指す。

構想の中核には、サークルが発行する米ドル建てステーブルコイン「USDC」がある。発表では、USDCを利用することで加盟店が迅速で低コストな米ドル建て決済を受け付けられると説明されている。USDCはバミューダ内ではすでに複数の稼働事例があり、現代的な形でコンプライアンス要件にも対応できることが示されているという。

サークルとコインベースは、バミューダ政府や現地金融機関に対し、デジタル資産インフラやエンタープライズ向けツールを提供する意向を示している。両社はまた、オンチェーン金融の実装を支えるため、教育や技術面での支援も行う計画だ。

なお今回の構想は突発的なものではなく、バミューダがこれまで段階的に進めてきたデジタル資産分野の取り組みの延長線上にある。同地域は2018年に「デジタル・アセット・ビジネス法(Digital Asset Business Act)」を制定し、デジタル資産事業に関する包括的な規制枠組みを整備した。サークルは2019年に、コインベースは2023年に、それぞれ同制度下でバミューダ金融庁(Bermuda Monetary Authority:BMA)のライセンスを取得している。

さらに、2019年10月には税・手数料などの支払いでUSDCを受け入れることが発表され、2020年にはデジタルスティミュラストークン・ステーブルコインのパイロットが実施された。2023年には、コインベースがBMAからライセンスを取得するなど、官民連携による取り組みが継続してきた。

バミューダのオンチェーン経済への移行は段階的に進められ、時間をかけて住民や企業に具体的な利益をもたらすことが期待されている。

参考:サークル
画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

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