YZiラボがジーニアスに出資
YZiラボ(YZi Labs:旧バイナンスラボ)が、オンチェーン取引向けの取引ターミナルを開発する「ジーニアス・トレーディング(Genius Trading)」への出資を行ったと1月13日に発表した。また、YZiラボのアドバイザーで暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの共同創業者であるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏がジーニアスのアドバイザーとして参画するという。
ジーニアスは、オンチェーンでの取引執行において、プライバシーと高い執行速度(high-velocity)を重視したプロ向け取引ターミナルだ。分散型取引所(DEX)と中央集権型取引所(CEX)の取引量比率が分散型の取引所へと移行する中で、大口取引を行う際に取引内容が可視化されてしまう課題への対応を目的としているという。なお、ジーニアスはDEXそのものではなく、複数チェーン・分散型の取引先への執行を集約する取引インターフェースだとされる。
YZiラボは、ジーニアスがユーザーの所有権や分散性を維持しながら、CEXと同等のスピードや流動性、プライバシーを備えたオンチェーン取引環境の構築を目指している点が、同社の投資方針と合致すると説明している。
ジーニアスは、BNBチェーン(BNB Chain)、ソラナ(Solana)、イーサリアム(Ethereum)を含む10以上のブロックチェーンを横断した取引を単一のインターフェースに統合する構想を掲げている。これにより、複数のネットワークにまたがる取引を行う際にも執行速度やプライバシーを確保することを目指すとしている。
また、同プロジェクトの特徴の一つとして、「ゴースト・オーダー(Ghost Order)」と呼ばれるオーダータイプ(注文方式)を採用している点が挙げられる。この仕組みでは、マルチパーティ計算(Multi-Party Computation:MPC)を用いて一時的なウォレットクラスター(群)を生成し、それらを同時にオーケストレーション(同期制御)することで、大口取引における資金の関連性を外部から判別しにくくするとのことだ。一方で、取引自体は暗号学的に検証可能であり、ノンカストディアルな構成を維持するとのことだ。
今回調達した資金は、2026年後半に計画されているオープンアクセス開始に向け、プライバシープロトコルの開発に充当する他、10以上の対応ネットワークへの拡大に充てられる予定だという。
YZiラボは、オンチェーン取引においても、執行速度や裁量性、プライバシーといった要素が重要になるとの認識を示しており、ジーニアスへの出資を通じて、そうした要件を満たす取引インフラの構築を支援していくとしている。
なお、ジーニアスのアルマーン・カルシ(Armaan Kalsi)CEOは、同プロジェクトについて「(YZiラボとの)アラインメントによってオンチェーンのバイナンスを作る」といった発言をしている。
— YZi Labs (@yzilabs) January 13, 2026
画像:iStocks/ChrisGorgio