「U」がBNBチェーンとイーサリアムで稼働
デジタル資産インフラ提供企業のユナイテッド・ステーブルズ（United Stables）が、完全担保型ステーブルコイン「U」をBNBスマートチェーン（BNB Smart Chain）およびイーサリアム（Ethereum）上で正式にローンチしたと12月18日に発表した。
ユナイテッド・ステーブルズは、透明性、安全性、プログラマビリティを備えたステーブルコイン基盤の構築に注力する企業だ。
Uは同社の持株会社であるユナイテッド・ステーブルズ・ホールディング（United Stables Holding：BVI）が発行し、準備資産は規制下の仕組みのもとで保管され、顧客資産の分別管理が行われる。一方、同社サイトの免責事項では、EUのMiCAなど複数の規制枠組みにおける登録・許認可を取得していない旨が記載されている。そのためUの規制上の位置付けは別途確認が必要だ。
Uは、ローンチ初日からパンケーキスワップ（PancakeSwap）やアスター（Aster）、フォードットミーム（Four.meme）、リスタダオ（ListaDAO）などの分散型金融（DeFi）プロトコルと統合されている。
また「バイナンス・ウォレット（Binance Wallet）」や「トラスト・ウォレット（Trust Wallet）」などにも対応しており、異なるチェーンやアプリケーション間でUの保管や送金が可能とされている。暗号資産取引所HTXは12月18日にUの現物取引開始を発表している。
Uは、現金およびUSDC、USDT、USD1などの監査済みステーブルコインの組み合わせにより、1対1で完全に裏付けられているとのこと。準備資産は分別管理された口座で保管され、オンチェーンでの即時プルーフ・オブ・リザーブ（Proof-of-Reserve）によって検証されるほか、四半期ごとの独立監査を受けることで、透明性と安全性を確保すると説明されている。
またユナイテッド・ステーブルズは、Uについて、将来的に残高の秘匿機能「コンフィデンシャル・バランス（confidential balance）」を導入し、組織がセンシティブな財務情報を保護しながら、コンプライアンスや監査に必要な取引フローの透明性を維持できるようにする計画だという。あわせて、ガスレスでの署名ベース認可を可能にするEIP-3009や、x402対応の委任実行をサポートすることで、AIエージェントや自律システムによる決済利用を同社は想定しているとのこと。
Uは、今後数か月以内に追加のエコシステム統合が進められるとのことだ。
A new stablecoin unifying liquidity across use cases, built for scale.
— BNB Chain (@BNBCHAIN) December 16, 2025
Coming soon on BNB Chain 👀 pic.twitter.com/SDi7FXc2FH
参考：プレスリリース
画像：PIXTA