ロシア中銀、商業銀行による暗号資産取引を限定的に容認へ

保守的姿勢を維持も資本規制とAML強化で容認方針

ロシア中央銀行(Bank of Russia)が、商業銀行による暗号資産(仮想通貨)関連業務を限定的に認めるようだ。現地紙「ビッツメディア(bits.media)」が10月9日に報じた。

報道によれば、ロシア中銀は商業銀行に対し暗号資産取引を許可するが、資本要件や準備金規制といった制限を設ける予定だという。これは、銀行が暗号資産を主要業務として扱うことを防止するためだという。

ロシア中銀の第一副総裁ウラジーミル・チスチューヒン(Vladimir Chistyukhin)氏は、ロシア中銀が依然として保守的な立場にあるとしたが、銀行が暗号資産を資産に含めることが適切か検討した結果、完全に排除するのは不当だと結論づけたという。

チスチューヒン氏はまた、暗号資産取引に対してはマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)規制を適用する必要があると指摘。取引の透明性、投資家の身元確認(KYC)、資金の出所の明確化が義務付けられるとした。

規制下では、銀行、ブローカー、暗号資産取引所が監督責任を負い、投資資格を満たさない顧客の取引を拒否する義務を持つ。

なおチスチューヒン氏によれば、約2,000万人のロシア国民が日常生活でデジタル資産を利用しているとのことだ。

ロシア中銀は3月11日、富裕層を対象とした特定の暗号資産投資に関する規制案を発表。「高度な資格を有する投資家(qualified investors)」に限って暗号資産の取引を認める計画を示していた。

また4月には、ロシア財務省と中央銀行が、プロ投資家向けの暗号資産取引所を設立する計画が地元紙によって報じられていた。

参考:報道
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者