米SEC、コモディティ信託型シェアの包括的上場基準を承認、暗号資産ETF上場が迅速に

暗号資産ETFも迅速上場可能に

米証券取引委員会(SEC)が、ナスダック(Nasdaq)、シーボBZX(Cboe BZX)、NYSEアーカ(NYSE Arca)ら取引所による「コモディティ信託型シェア(Commodity-Based Trust Shares)」の新たな包括的上場基準を9月17日に承認した。

今回承認されたルール変更により、各取引所はSECへの個別申請を行わずとも、一定の基準を満たすコモディティ信託型シェアを迅速に上場・取引できるようになる。

承認された基準は、商品やデジタル資産を裏付けとする信託が発行する株式(ETF型商品)の迅速な上場を可能にするものだ。具体的には、基礎となるコモディティが市場間監視グループ(ISG)の加盟市場で取引されている、もしくは指定契約市場(DCM)で6カ月以上取引され、かつ取引所と監視共有契約(CSSA)が締結されている先物を原資産とする場合に適用される。

また全国証券取引所に上場するETFのうち、その商品のエクスポージャーが40%以上を占めている場合も要件を満たすことになる。なお、これらの基準を満たさない場合には、引き続きSECへの個別規則申請が必要だ。

新ルールでは、信託が保有資産の85%未満しか即時償還に対応できない場合、流動性リスク管理方針の策定を義務付けた。さらに、純資産価値(NAV)、プレミアム・ディスカウント、取引量などの詳細な開示も強化される。取引所は監視体制の維持を求められ、必要に応じて取引停止や上場廃止の措置も可能となる。登録マーケットメーカーには基礎資産の取引記録提出義務も課される。

今回の決定は、ソラナ(SOL)、XRP、ライトコイン(LTC)、ドージコイン(DOGE)などの現物ETF申請の判断期限をSECが迎える前に発表された。SECの判断期限は、10月以降に設定されている。

ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は「待ち望まれていた暗号資産ETPの枠組みが整った。今後数週間から数カ月で米国市場に暗号資産ETFの上場ラッシュが到来する可能性がある」と述べている。

参考:発表
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者