チェーンリンクのCCIPがアプトスで稼働開始、Move言語に初導入

CCIPがAptosで稼働開始

分散型オラクルネットワーク「チェーンリンク(Chainlink)」開発のクロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)」が、アプトス(Aptos)上で稼働開始した。チェーンリンクと、アプトスを支援するアプトス財団(Aptos Foundation)が9月9日に発表した。

アプトスはスマートコントラクト言語「ムーブ(Move)」採用のレイヤー1ブロックチェーン。ムーブは、メタ(旧:フェイスブック)が2019年にリブラ(Libra)として発足したステーブルコインプロジェクト「ディエム(Diem)」のチームが開発した。

今回の統合は、ムーブ基盤のブロックチェーンにおけるCCIPの初の導入とのこと。これにより、60以上のEVMおよび非EVMブロックチェーン間の相互運用性が強化されるという。

またCCIPの導入に伴い、CCT(クロスチェーントークン)としてDeFi(分散型金融)レンディングプラットフォーム「アーベ(Aave)」の独自ステーブルコイン「GHO」や、ベッドロック(Bedrock)提供のLST(リキッドステーキングトークン)「uniBTC」および「brBTC」がアプトス上で利用可能となったとのこと。

ユーザーはこれらCCTを、CCIP対応のクロスチェーン送金アプリ「インターポートアプリ(Interport app)」を通じて、CCIPで接続された他のブロックチェーンに送金できるという。

なおアプトスは現在CCIPを通じて、アービトラム(Arbitrum)、ベース(Base)、ビーエヌビーチェーン(BNB Chain)、イーサリアム(Ethereum)、オーピーメインネット(OP Mainnet)、ソニック(Sonic)と接続されており、接続先のチェーンは今後さらに拡大される予定だ。

CCIPとは

「CCIP」は、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの両方にわたってアプリケーションをリンクするように設計されたクロスチェーン相互運用プロトコル。

開発者は、任意メッセージングを使用して「CCIP」上に独自のクロスチェーンソリューションを構築できるだけでなく、「CCIP」は簡素化されたトークン転送も提供するという。これにより、プロトコルは制御する監査済みのトークンプールコントラクトを使用して、独自コードを記述することなくチェーン間でトークンの転送を迅速に開始できるとのこと。

このプロトコルにより、独自のブリッジソリューションを構築することなく、単一のインターフェイスからブロックチェーン間でトークン転送ができる他、ユーザーが1つのブロックチェーンに担保を預け、別のブロックチェーンで資産を借りられるようにするクロスチェーン融資アプリケーションの起動も可能になるとのことだ。

参考:発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。