BNPパリバとHSBC、金融業界向けブロックチェーン「カントン」の財団に加盟

大手グローバル銀行2社がカントン財団に加盟

大手グローバル銀行であるBNPパリバ(BNP Paribas)とHSBCの2社が、カントン財団(Canton Foundation)に加盟したことが9月9日に発表された。同財団は、金融業界向けの分散型ネットワーク「カントンネットワーク(Canton Network)」の運営とガバナンスを担う組織だ。

カントンネットワークは、2024年にローンチされた金融機関向けのパーミッション型ブロックチェーン。オンチェーンでのプライバシー保護と相互運用性を兼ね備え、伝統的な金融機関が資産や資本をシームレスに移動できる基盤を目指している。

BNPパリバとHSBCの財団への加盟は、金融業界がデータプライバシーや運用上のコントロール、大規模な相互運用性を重視した分散型技術を受け入れる流れを改めて裏付けるものとのことだ。なお今年3月にはゴールドマンサックス(Goldman Sachs)、香港FMIサービス(HKFMI)、ムーディーズ・レーティングス(Moody’s Ratings)もカントン財団に加盟している。

カントン財団のエグゼクティブディレクターであるメルビス・ランギントゥオ(Melvis Langyintuo)氏は「BNPパリバとHSBCの参画は、ガバナンスと戦略的方向性を一層強化し、規制市場に対応する堅牢で中立的な基盤の確立に貢献する」と述べた。

カントンネットワークは、金融機関のプライバシー要件に最適化されたレイヤー1ブロックチェーン。同チェーン上のアプリケーション開発者は、各アプリケーションごとに、「パブリックな要素を持った許可制のチェーン」を構築できる。これらは、スマートコントラクトを用いたプライバシー設定が可能なため、取引の詳細は関係者のみに限定して公開され、それ以外には完全に非公開になるという。

また6月にメインネットがローンチされたカントンネットワーク上にはすでに、ゴールドマンサックス、HSBC、BNPパリバなどの機関投資家がDapp(分散型アプリケーション)を展開している。さらに6月のシリーズEラウンドでは、DRW、トレードウェブ(Tradeweb)、ゴールドマンサックス、シタデルセキュリティーズ(Citadel Securities)などから約1億3,500万ドル(約195億円)を調達し、機関投資家向けの導入を加速させているとのことだ。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。