テザー、Q2純利益は過去最高49億ドル、米国債保有額1,270億ドル超に

テザーが利益を再投資に活用

テザー(Tether)社の2025年第2四半期(6月30日時点)の純利益が49億ドル(約7,378億円)となり、上半期合計では57億ドル(約8,583億円)に達したとのこと。テザー社が財務情報を7月31日に公開した。

テザー社は年初来で、金およびビットコイン(BTC)の時価評価益を除いた継続的な利益として31億ドル(約4,668億円)を計上したという。加えて、これらの資産から26億ドル(約3,915億円)の評価益があったとのこと。

また同社は、6月30日時点の総資産が約1,625億ドル(約24.4兆円)、総負債が約1,571億ドル(約23.6兆円)であると報告した。この負債は、発行済みのデジタルトークンに関連するものでほぼすべてを占めているという。なお同社によれば資産は負債を上回っているのこと。

またテザー社によるAI(人工知能)や再生可能エネルギー、通信インフラといった新興分野に対する投資には、同社が発行するステーブルコインの裏付け準備資産は含まれていないという。

なおテザー社は、最近の収益の相当部分を長期的な戦略的取り組みに再投資していると説明。主な投資先には、投資会社XXIキャピタル(XXI Capital)や動画共有プラットフォームのランブル(Rumble)が挙げられている。

テザー社によるグローバルな利益再投資戦略においては、米国を主導的な国に位置づけているという。同社は、これまでに約40億ドル(約6,012億円)を米国内のエコシステムに投入しているとのこと。

また今年第2四半期末時点で、テザー社による米国債への総投資額は1,270億ドル(約19.1兆円)を超えたという。このうち、同社が直接保有する米国債は1,055億ドル(約15.8兆円)、間接的に保有する分は213億ドル(約3.2兆円)となっている。この水準は、第1四半期と比べて約80億ドル(約1.2兆円)増加したとのこと。

テザー社はこうした動きについて、米国の政策当局が取り組んでいるステーブルコイン規制法案「ジーニアス法(GENIUS Act)」を背景のひとつとして挙げている。

「ジーニアス法」は、規制対象のステーブルコインの利回りや利息の支払いを禁止するものだ。同法案は7月18日にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が署名。早ければ11月、遅くとも2027年初頭までに施行される予定だ。

またテザー社によれば、第2四半期中に同社発行の米ドル建てステーブルコイン「USDT」が新たに134億ドル(約1.9兆円)超発行されたという。USDTの流通供給量は1,570億ドル(約23.2兆円)を超えたとのこと。これは年初来で200億ドル(約2.9兆円)の増加にあたるとのことだ。

参考:テザー
画像:Reuters

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。