トン財団とキングスウェイが4億ドル調達へ、TON保有の新金融企業設立計画で=報道

PIPE構造採用の新金融事業体を構想中

レイヤー1ブロックチェーン「トン(TON)」の開発を支援するトン財団(TON Foundation)とキングズウェイ・キャピタル・パートナーズ(Kingsway Capital Partners)が、TONコインを財務資産(トレジャリー)として保有する暗号資産金融企業の設立に向けて、4億ドル(約588億円)の資金調達を計画していると、ブルームバーグが関係者の話として、7月24日に報じた。

この新たな事業体は、上場企業が投資家グループに対して非公開で株式を発行する「私募による上場企業投資(PIPE:Private Investment in Public Equity)」を採用する予定。なお、企業名などの詳細は明らかにされていない。

キングズウェイ・キャピタル・パートナーズの代表であるマヌエル・ストッツ(Manuel Stotz)氏は、トン財団の会長も務めている。

今回の資金調達には、銀行系アドバイザリーのコーエン・アンド・カンパニー(Cohen & Co.)および米金融大手キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)も関与しているという。

コーエンは、ダイナミックコーポレーション(Dynamix Corporation)との合併により設立されるイーサリアム投資会社イーサマシン(The Ether Machine)の案件において、資本市場アドバイザーとして関与している。イーサマシンは7月時点で約15億ドル(約2,208億円)の資金調達が確定しており、コーエンはこの案件における資本調達支援を行っている。同社は今回のTON関連企業設立においても、関連する銀行サービスを提供しているとされる。

キャンター・フィッツジェラルドは、TONコインを財務資産として保有する公開企業の設立にも関心を示しており、同社はまた、テザー(Tether)が保有する米国財務省短期証券(T-bill)のカストディアンも務めている。

TONコインは、テレグラム・オープン・ネットワーク(TON)ブロックチェーンのネイティブトークンだ。

なお、トン財団は3月に、大手ベンチャーキャピタルから総額4億ドル(当時約598億円)の資金を調達したと発表している。投資に参加したのは、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)、リビット・キャピタル(Ribbit Capital)、ベンチマーク(Benchmark)、キングズウェイ(Kingsway)、Vyキャピタル(Vy Capital)、ドレイパー・アソシエイツ(Draper Associates)、リベルタス・キャピタル(Libertus Capital)、コインファンド(CoinFund)、ハイパースフィア(Hypersphere)、スカイブリッジ(SkyBridge)、カラタージュ(Karatage)などだ。

参考:ブルームバーグ報道The Ether Machine発表
画像:iStock/BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者