カナリー、ステーキング対応「インジェクティブ(INJ)現物ETF」を米SECに申請

CANARY STAKED INJ ETFを米SECに申請

暗号資産(仮想通貨)投資企業カナリー(Canary)が、暗号資産インジェクティブ(INJ)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)に関する登録届出書「S-1申請書(Form S-1)」を、米証券取引委員会(SEC)へ7月17日に提出した。INJに特化したETFの申請は米国初の事例だ。

提出書類によると、カナリーが申請したINJの現物ETFの名称は「カナリー・ステークド・INJ・ETF(CANARY STAKED INJ ETF)」。現時点では、同ETFのティッカーシンボルおよび上場予定の取引所は未定となっている。

また提出書類には「CANARY STAKED INJ ETF」の一部資産を、ステーキングプロパイダーを通じてステーキングを可能にすると明記されている。そのため同ETFは、ステーキングにより得られたINJの報酬を収益の一部として反映する可能性がある。なお、ステーキングプロパイダーの担当機関については提出書類には記載となっている。

また同ETFの資産管理者(アドミニストレーター)、証券代行(トランスファーエージェント)、現金管理者(キャッシュカストディアン)、保管機関(カストディアン)の担当機関についても、現時点では未記載だ。

なお信託受託者(トラスティ)には、米デラウェア州を拠点とするサービスプロバイダーのCSCデラウェアトラスト(CSC Delaware Trust)が指定されている。

今回SECに提出された「S-1申請書」は、ETF承認のための第1ステップの届出書となる。次の段階は「19b-4申請書(Form 19b-4)」の提出となり、SECが同書類を受理次第、今後の審査を経て「S-1申請書」の最終承認または却下が決定される。

INJは、DeFi(分散型金融)に特化したレイヤー1ブロックチェーン「インジェクティブプロトコル(Injective Protocol)」の独自トークンだ。インジェクティブプロトコルは、コスモスSDK(Cosmos SDK)とテンダーミント(Tendermint)コンセンサスを基盤に構築されており、クロスチェーン互換性を備えている。

インジェクティブプロトコルは7月2日、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換のパブリックテストネット公開をブログで発表した。

SECは7月9日、カナリーが提出していたNFTプロジェクト「パジーペンギンズ(Pudgy Penguins)」の暗号資産ペンギュー(PENGU)およびNFTの現物に投資するETFに関する提案書を正式に受理したと公表した。同ETFの名称は、「カナリー・ペンギュー・ETF(Canary PENGU ETF)」。

「Canary PENGU ETF」は、ポートフォリオの約80~95%をPENGU、約5~15%を「パジーペンギンズ」のNFTに配分する構成となっている。

参考:SEC
画像:iStocks/olegback・Who_I_am

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。