モナド財団、ステーブルコインインフラ提供のポータルを買収

モナド財団がポータル買収

EVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換のレイヤー1ブロックチェーン「モナド(Monad)」の開発を支援するモナド財団(Monad Foundation)が、ステーブルコインのインフラプロバイダーであるポータル(Portal)を買収したと7月9日に発表した。

この買収により、「モナド」にフルスタックの決済ソリューションが導入されるとのこと。

なおポータルは引き続き共同創業者メンバーによって、モナド財団の完全子会社として独立して事業継続するという。ただしポータルの共同創業者兼CEOのラジ・パレク(Raj Parekh)氏はモナド財団の決済・ステーブルコイン担当責任者に就くという。

同氏は、決済大手ビザ(Visa)のグローバル暗号資産プロダクト担当ディレクターを務めた経験のある人物とのこと。同氏はステーブルコイン、決済ネットワーク、オンチェーンファイナンスに関する深い専門知識を有しているという。ポータルおよびパレク氏により「モナド」において、発行者、決済プラットフォーム、金融機関、フィンテック企業がステーブルコインベースの製品を構築、展開、加速できるようにすることで、ステーブルコインエコシステムの普及を推進するとのことだ。

「モナド」は今年2月20日にパブリックテストネットが稼働開始している。メインネットは2025年後半に稼働開始予定だ。

公式ドキュメントによれば「モナド」は、1秒間に最大1万件のトランザクション(10,000 tps)を処理でき、1日あたり10億件以上の処理能力を持つと説明されている。さらにブロックタイムは500ミリ秒で、ファイナリティは1秒以内に達成されるとのこと。これにより「モナド」は、トランザクションコストを大幅に削減できるとされている。

また「モナド」は、EVMのバイトコードに互換性を完全に持ち、イーサリアム(Ethereum)向けに構築されたアプリケーションをコード変更なしで「モナド」へ移植できるとのこと。また、イーサリアムRPC(リモートプロシージャコール)との互換性も備えているという。

これにより、イーサリアム上のアプリケーションを「モナド」上で簡単に動作可能になるとのこと。ユーザーは、イーサリアム対応のweb3ウォレットであるメタマスク(MetaMask)などや、ブロックエクスプローラーのイーサスキャン(Etherscan)をそのまま利用できるとのこと。また、アドレス形式もイーサリアムと同じであるため、既存の鍵を再利用できるとのことだ。

参考:モナド財団プレスリリース
画像:iStocks/LuckyStep48

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 副編集長 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。