Coinbase Derivatives、米国で「無期限先物取引」を7/21提供へ

米国版パーペチュアル型先物取引開始へ

コインベースデリバティブズ(Coinbase Derivatives)で、米国版パーペチュアル(無期限)型先物取引が7月21日より提供される予定だ。コインベースデリバティブズを提供する米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が6月26日に発表した。

パーペチュアル取引は、現物と先物、CFD(差金決済取引)の特徴を併せ持ち、限月(満期日)が存在しないデリバティブ取引の一種である。これにより投資家が柔軟にポジションを保有し続けられる。

発表によると、これまで米国内では規制上の理由からパーペチュアル型先物取引をほとんど利用できなかったという。現在、一部の米国居住者はオフショア取引所を通じてパーペチュアル型先物取引にアクセスしているが、これには規制上のリスクやカストディ(資産管理)リスク、カウンターパーティリスクを伴うと説明されている。

なお、今回コインベースデリバティブズで導入予定のパーペチュアル型先物取引は、米国の規制基準に準拠して提供されるとのこと。この取引には契約の簡素化された満期設計、資本効率の高い取引、長期的な戦略実行、リスク管理の手段が備わっているという。なお同取引は、今後数カ月以内にリテールユーザー向けにも展開される予定とのこと。

7月21日の取引開始日には、ナノビットコインパーペチュアル型先物(nano Bitcoin Perpetual-Style Futures/0.01 BTC)および、ナノイーサパーペチュアル型先物(nano Ether Perpetual-Style Futures/0.10 ETH)の2種類が提供される予定だ。

なお取引は24時間365日可能で、5年満期の長期先物契約として設計されているという。また、現物価格と先物価格の乖離を最小限に抑えるため、ファンディングレートが導入されているとのこと。ファンディングレートは、現物価格との乖離を調整するためのユーザー間の支払い金利のこと。ロング(買い手)とショート(売り手)とのポジションのバランスを取るために、ポジション保有者同士で定期的に支払い合う。レートは市場の需給バランスに応じて変動し、ロングポジションが多ければロング側が支払い、ショート側が多ければショート側が支払う。

ファンディングレートによる支払いは毎時で発生し、1日2回設定された現金調整期間に清算されるという。各清算期間において、それまでに発生したファンディングは集計され、トレーダーの口座に加算または減算されるとのこと。これにより、現物取引に近い取引体験が提供されるとともに、レバレッジおよび規制下での清算という利点も享受できると説明されている。

参考:コインベース
画像:iStocks/Who_I_am

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。