TONのブリッジ機能「Toncoin Bridge」が提供終了へ、「jUSDT」廃止を受け

Toncoin Bridge提供終了へ

パブリックブロックチェーン「TON(The Open Network)」のネイティブトークンである「TONコイン」のブリッジ機能「トンコインブリッジ(Toncoin Bridge)」の提供が5月10日に終了する。「TON」エコシステムを支援するコミュニティ主導の組織「TONソサエティ(​TON Society)」が4月25日に発表した。

これにより5月10日以降、「TON」からイーサリアム(Ethereum)およびBNBスマートチェーン(BNB Smart Chain)への「TONコイン」のブリッジは利用できなくなる。ただし、5月10日以前にこれらのチェーンへ転送された「TONコイン」については、引き続き請求可能とされている。

なお、「TON」への「TONコイン」のブリッジは継続されるが、終了日については今後改めて発表される予定とのこと。

また今後は、ブリッジオラクルがステークしていた「TON」の引き出しを開始し、段階的なサービス終了に向けた作業が進められるが、運営は引き続き安全に行われる予定とのこと。トークン転送の廃止に関しては、改めて発表される予定である。

発表によると「トンコインブリッジ」の終了は、ユーザーの安全性向上や、拡張性のあるクロスチェーンツールの採用促進、そして「TON」エコシステムの成熟および自立を背景とした措置だという。

特に「TON」上のラップドUSDTである「jUSDT」の廃止完了が、今回の「トンコインブリッジ」終了につながったと説明されている。これは、「TON」上にネイティブUSDTが導入され、ユーザーが資産運用を「TON」ネットワーク内で完結できる環境が整ったことが背景にあるとみられる。

「jUSDT」は、「TON」にネイティブUSDTが対応していなかった際に、イーサリアム(Ethereum)上のUSDTなどを「TON」上で利用するための代替手段だった。

「トンコインブリッジ」は、「TON」の初期に中央集権型取引所(CEX)や分散型金融(DeFi)が存在しない中、「TONコイン」をイーサリアムやBNBスマートチェーン(BNB Smart Chain)へ送信し、取引するための主要な手段だった。また「TON」上に分散型取引所(DEX)が立ち上がるまでの間は、「jUSDT」などのラップド資産のゲートウェイとしても活用されていたという。

現在では、「TON」はレイヤーゼロ(LayerZero)やスターゲート(Stargate)などのクロスチェーンプラットフォームと統合され、「TON」ネットワーク内で資産を活用できる環境が整っているとのこと。これにより、「TON」コインを外部チェーンへ送信する必要性が薄れ、「jUSDT」の廃止完了とあわせて「トンコインブリッジ」も役割を終えることになったとのことだ。

参考:TON Society
画像:iStock/metamorworks

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。