ビットフライヤーが「エルフトークン(ELF)」付与実施、延期翌日にロックアップ契約締結で

ビットフライヤーが「ELF」のロックアップ契約

2月21日に延期が発表されていた「エルフトークン(ELF)」の抽選・決済・付与について、翌22日より順次実施開始された。国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフライヤー(bitFlyer)が2月22日発表した。なお「ELF」付与実施において、国内IEOで初となる「ロックアップ契約」を締結したとのこと。ロックアップとは、一定期間トークンを売却できない状態にすること。売り圧(売却による価格の急落リスク)を対策する手段となっている。

国内5例目のIEOとなる「ELF」は、2月26日にリリースされるブロックチェーンゲーム「THE LAND エルフの森」で使用される暗号資産。同ゲームは「ELF」発行元のHashPalette(ハッシュパレット)が提供する。

「ELF」は、ビットフライヤー提供のIEOプラットフォーム「bitFlyer IEO」にて購入申し込み受付が2月9日から20日までの期間実施されていた。この申込を経て21日に「ELF」抽選・決済・受け渡しおよび抽選結果通知が行われる予定だった。

しかし21日にビットフライヤーは、ハッシュパレットとの間で「協議中の事項」があることから同イベントを延期すると発表していた。なおビットフライヤーによると21日時点で、「ELF」の販売総額である12.5億円を超える購入申込があったという。

今回の発表によるとビットフライヤーは、ハッシュパレットおよび同社親会社HashPort(ハッシュポート)との間でロックアップ契約に関する協議を重ねていたとのこと。ビットフライヤーによるとこれは、「ELFの流通市場における健全な価格形成を通じてお客様の資産を保護することを優先するため」であったという。

また同社は、「過去の国内他社IEO案件においては、受託販売を担う暗号資産交換業者やアドバイザーなどが、報酬として受け取った暗号資産を取引所での取扱いが開始された直後に売却するケースが見られ、その結果、取引所における価格に対して下方圧力が生じた可能性が指摘されています」と説明している。

これをうけ今回ビットフライヤーは、ハッシュパレット、ハッシュポート、そしてビットフライヤー子会社bitFlyer Blockchain(ビットフライヤーブロックチェーン)の 4社間で「ELF」の価格維持の観点からロックアップに関する契約を締結したとのこと。今回の発表では、各社の「ELF」のロックアップに関する要件が公開されている。

なおビットフライヤーの取引所による「ELF」取り扱い開始の日程は、2月22日~3月31日の期間中に決定するという。

ビットフライヤーは今回の発表翌日23日に、「ELF」の販売結果を公開。当該販売期間の終了時点における新規暗号資産の総発行量は「1,000,000,000 ELF」。当該販売期間の終了時点における払込総額等の合計は「1,350,000,000円(販売総額と販売手数料の合計量)」、当該販売期間の終了時点における新規暗号資産の販売総量は「100,000,000ELF」になったとのことだ。

IEO(Initial Exchange Offering)とは、トークンによる資金調達を暗号資産取引所が支援し、具体的には主体となって発行体のトークンを販売するモデルのこと。

また過去国内においてIEOで販売された暗号資産は4銘柄ある。ハッシュパレットがコインチェックで実施した「パレットトークン(PLT)」と「FC琉球」がGMOコインで実施した「FCRコイン(FCR)」、フィナンシェがコインチェックで実施した「フィナンシェトークン(FNCT)」、オーバースがcoinbook(コインブック)およびDMM Bitcoinで実施した「Nippon Idol Token(NIDT)」だ。

今回の「ELF」のIEOは、国内5例目となる。またハッシュパレットとしては「PLT」に続き2件目のIEOを実施することになる。

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参考:ビットフライヤー1ビットフライヤー2
images:iStocks/
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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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