仕組み債のDeFi「Cega」がデュアルカレンシー商品を提供開始、Lido Financeと提携で

Cegaがデュアルカレンシー商品を提供開始

仕組み債を取り扱うDeFi(分散型金融)プロジェクト「Cega(セガ)」提供のCega Finance(セガファイナンス)が、デュアルカレンシー商品の提供開始を11月30日発表した。

発表によると同商品は、stETHまたはETHホルダーに22%以上のAPY(年換算利率)リターンを提供するもので、リキッドステーキングのエコシステムに新たな利回りの機会を提供するとのこと。セガファイナンスは同商品の開発にあたり、リキッドステーキングプロトコル「リド(Lido)」提供のリドファイナンス(Lido Finance)と提携したという。

なおリキッドステーキングとは、プルーフオブステーク(PoS)を採用するブロックチェーンにおいてステーキングを行う際に、ロックした資産と「1:1」の割合で価値が担保されているトークンを発行することで、ロックされた資産に疑似的な流動性を与えるサービスだ。「リド」ではETHをステーキングすることでstETHが発行される。

セガファイナンスによるとリキッドステーキングエコシステムでは、流通しているETHの4分の1以上がステークされており、その3分の1は「リド」に直接投資されているとのこと。「リド」の市場規模は現在160億ドル以上と評価されているという。

そんな中リキッドステーキング市場では、stETH保有者にとって同トークンの利回りの機会の不足が課題とのこと。なおイーサリアムのステーキングでのAPYは、3%程度とのこと。

今回「セガ」にて提供する新たなデュアルカレンシー商品では、stETHをデポジットする「stETH Elephant」と「stETH Dragon」の他、ETHをデポジットする「ETH Elephant」と「ETH Dragon」、そしてUSDCをデポジットする「USDC Dragon」がある。

それぞれ、購入後27日目の満期時のデポジットしたトークンの市場価格が、ストライクプライスに対し上回るか下回るか、または一時的に上回ったか等により、得られる決済資産が変わる仕組みとなっている。

なお「stETH Elephant」と「stETH Dragon」の場合はstETHもしくはUSDC、「ETH Elephant」と「ETH Dragon」はETHまたはUSDC、「USDC Dragon」はETHまたはUSDCが決済資産となっている。

この商品の中で現在最もAPYが高いのは51.3%で「ETH Dragon」。TVL(総預かり資産額)が最も多いのは「stETH Elephant」で2,260,573.4ドル(約3.3億円)となっている。

各商品の対応ネットワークはイーサリアム(Ethereum)およびアービトラム(Arbitrum)だ。両ネットワークの他に「セガ」が対応するソラナ(Solana)には、上記5商品は非対応だ。

Cegaとは

「Cega」は、基本的なオプション (コール=買う権利、プット=売る権利など)と高度な条件を付加したエキゾチックオプションを組み合わせた仕組債にステーキングできるDeFiサービスだ。対応ネットワークはソラナ(Solana)の他、イーサリアムとアービトラムがある。

この仕組債はノックインとノックアウトのバリアオプションとプットとコールのバスケットオプションの条件を付与したフィクスト・クーポン・ノート(FCNs)として組成しているとのこと。

ちなみに「エキゾチックオプション」とは、権利行使価額や原資産価格の決め方などが特殊な条件となっているオプション。「ノックイン」は資産があらかじめ決められた価格(水準)を下回ることで、「ノックアウト」は、あらかじめ決められた価格(水準)を上回ることを指す。

また「バリアオプション」とは、原資産価格がある一定の価格(バリア)に到達(ヒット)するか否かで、権利が発生もしくは消滅するオプションのこと。

そして「バスケットオプション」は、複数の資産のポートフォリオを原資産とするオプションである。最後に「フィクスト・クーポン・ノート(FCNs)」は、 一定の条件の元、投資家に定期的なクーポン支払いを提供する金融商品のことである。

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参考:Cega
images:iStocks/Vjom

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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