FBI、Horizon Bridgeハッキングに北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」関与を確認

FBIが、Horizon Bridgeハッキングにラルザス関与を確認

米国連邦捜査局(FBI)が、「Horizon Bridge(ホライゾンブリッジ)」のハッキングによる資金流出事件への、北朝鮮に関連するハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」の関与を確認したと1月23日発表した。

この事件は昨年6月23日に発生。L1ブロックチェーン「ハーモニー:Harmony(ONE)」上に構築されているトークンブリッジプロトコル「Horizon Bridge」が、外部からの不正ハッキングにより同プロトコルから1億ドル相当になる複数種類のトークンが流出する被害を受けていた。

また犯人のものと思われるアドレスへ流出したそれらの暗号資産は、犯行後にDEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)でイーサリアムに交換。その後に他のアドレスへ移され、トランザクションミキシングプロトコルのトルネードキャッシュ(Tornado Cash)へ約10分の間隔で100ETHずつ資産が送られ、マネーロンダリングされていた。

今回の発表によると、ハッカーはプライバシープロトコルの「レールガン(RAILGUN)」を用いて、この事件で盗んだ6000万ドル相当以上のイーサリアム(ETH)をマネーロンダリングしたという。また「その盗まれたイーサリアムの一部は、その後複数の暗号資産(仮想通貨)サービス業者でビットコイン(BTC)に変換された」ことも報告された

なおFBIはいくつかの暗号資産(仮想通貨)サービス業者と連携し、これら資金の一部を凍結したとのこと。また残りのビットコインは以下に記述する11のアドレスへ移動したという。

「1BK769SseNefb6fe9QuFEi8W4KGbtP8gi3」、「15FcqYRbwh2JsRUyBjvZ4jJ2XAD3pycGch」、「1HwSof6jnbMFpfrRRa2jvydYdopkGB4Sn」、「15emeZ7buVegqhYh9PekH7cwFEJceVNpS」、「3MSbCJCYtx5sj1nkzD4AMEhhvvviXBc8XJ」、「17Z79rZpkk8kUiJseg5aELwYKaoLnirMUn」、「bc1qp2vntdedxw4xwtyd4y3gc2t9ufk6pwz2ga4ge」、「3P9WebHkiDxCi8LDXiRQp8atNEagcQeRA3」 、「37fnBxofDeph2fpBZxZKypNkwdXAt9nT6F」、「185NxhFAmKZrdwn9rVga3kqbvDP4FkbTNw」、「12283Cq1pJ3f1gXwqi6K3bRf5LZb8Bkm6g」

FBIは今後も北朝鮮がサイバー犯罪などを通して同国政府へ利益をもたらしていることを明らかにし、対処していく姿勢だ。

なお米国は昨年9月、北朝鮮に関連するハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」が人気ブロックチェーンゲーム「アクシーインフィニティ(Axie Infinity)」から盗んだとされる約43.1億円(3,000万ドル)以上の暗号資産(仮想通貨)を押収している。

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参考:FBI 
デザイン:一本寿和
images:iStocks/natasaadzic

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。 同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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