DAIの「MakerDAO」が新プロトコル「Maker Teleport」発表、ほぼ即時の高速ブリッジ実現へ

DAIのMakerDAOが「Maker Teleport」発表

米ステーブルコインのDAIを発行する大手DeFi(分散型金融)「MakerDAO(メイカーダオ)」が、ブロックチェーンをまたいだトランザクションをほぼ即時に処理できる新プロトコル「Maker Teleport(メイカーテレポート)」の実装開始を11月16日に発表した。

今回発表された「Maker Teleport」は、ブロックチェーン間のDAIのブリッジを高速化するためのプロトコルだ。「MakerDAO」がこのプロトコルを実装することにより、イーサリアム(Ethereum)のL2スケーリングソリューションとして開発されたチェーン間を高速でDAIが行き来可能になるという。

「MakerDAO」によると、同プロトコルは「ファストウィズドロールズ(Fast Withdrawals)」と「L2-L2フルテレポート(L2-to-L2 Full Teleport)」の2つの段階に分かれており、現在は前段階のファストウィズドロールズのみ利用可能となっている。

「ファストウィズドロールズ」は、L2からL1に即座にDAIを送信できるようにするものである。今後、次の段階の「L2-L2フルテレポート」が実装されればL2の複数のブロックチェーンを即座に移動できるようになるそうだ。

なお「MakerDAO」は同プロトコルを利用するプロジェクトに対し、合計1万DAIを助成金として与えるプログラムの開催も同時に発表している。

ステーブルコインDAIは米ドルと価値が連動したステーブルコインで、現在の時価総額は約8,229億円である。イーサリアムネットワークだけでなく、多くのブロックチェーンで利用されており、さまざまなDeFiプロトコルや取引所で取り扱われている。

関連ニュース

MakerDAO、DAIの裏付け資産5億ドル分を米国債・社債に投資へ

MakerDAO、コインベースのカストディで約2380億円を運用へ

MakerDAO、融資枠で約136億円分のDAIを米銀行HVBへ提供

Uniswapがweb3ファンド立ち上げ、Maker DAOやAaveなどへ投資

【動画解説】DeFi(分散型金融)レンディングとは?「MakerDAO・Compound」(Kyber Network Japan Manager 堀次泰介氏)

デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ