メタマスクが助成金DAO、コンセンシス全従業員参加し外部開発者支援へ

メタマスクが助成金DAO

コンセンシス(ConsenSys)が、「MetaMask Grants DAO」の立ち上げを発表した。このDAO(自律分散型組織)は、従業員が主導して全額資金提供を行うDAOであり、暗号資産(仮想通貨)ウォレットのメタマスク(MetaMask)エコシステム内でインパクトのある体験を構築するコンセンシス社外の開発者に助成金を付与していくものだという。

メタマスクのエコシステムに付加価値を与える有意義なプロジェクトであれば、どのようなものでも対象となるとのことだ。このDAOプログラムは、四半期ごとに60万ドル、年間合計240万ドルの予算が割り当てられているという。

DAO内の投票と提案は、コードファイアクティベート(Codefi Activate)プラットフォームのスナップショット(SnapShot)を通して公開形式で行われるとのことだ。

なおこのDAOは次の3つの構成要素を主とするとのこと。

(1)従業員主導のDAO

DAOの中心である、900人以上のコンセンシスの全正社員で構成され、将来的に外部パートナーを加える可能性もある。社員は全員、平等な議決権を持つグランツDAO メンバーになることを選択できる。

(2)7名で構成されるリーダーシップ委員会(ミニDAO)

リーダーシップ委員会は、ポテンシャルの高いプロジェクトの発掘、ガバナンス案の作成、外部コンテンツの更新、DAOへのフィードバック収集と改善の推進を担当する。7名というのはメタマスクの共同創業者、グローバルプロダクトリード、シニアDAOストラテジスト、プロダクトマネージメントディレクターなどで構成されるという。

(3)安全なマルチシグネチャーのウォレット

コンセンシスによってモニタリングされ、トークンのコントラクトと財務を管理。また従業員の入退社に伴う資金の払い戻しやトークンのミント(鋳造)・バーン(燃焼)のための取引に署名する責任を負う。

またDAOの資金は、「リーダーシップ委員会補助金」と「DAO補助金」の2種類に分割されるとのこと。前者は外部プロジェクトへの資金で、後者はDAO内部で活用する資金だ。

メタマスクのグローバルプロダクトリードであるテイラー・モナハン(Taylor Monahan)氏は「メタマスクを世界で最も拡張可能なウォレットにするには、それをさらに構築し、そのコミュニティに力を与えるための分散化した取り組みが必要です。これは暗号資産に慣れているユーザーの成長を加速させるだけでなく、参加できる経路が増えることで、暗号資産に興味がある人の採用も後押しします」とコメントしている。

メタマスクの共同設立者であるダン・フィンレイ(Dan Finlay)氏は「DAOはいろいろなことに使えます。しかし助成金を与えることほど素晴らしい使い方はないでしょう。私たちは他の方法では資金調達が困難だったいくつかのプロジェクトの成長を手助けすることに興奮しています」と伝えている。

参考:ConsenSys
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ustinroque

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。