JCB・トッパンフォームズ・キーチェーン、BC活用のオフライン決済システム実証実験

JCBらがBC活用のオフライン決済システム実証実験

ジェーシービー(JCB)、トッパン・フォームズ、キーチェーン(Keychain)の3社が、オフライン環境の店舗用決済端末で取引を行うシステムの開発および検証を実施することを10月24日発表した。

発表によるとこのシステムにはキーチェーンが提供する、ブロックチェーン上でデータセキュリティとアイデンティティ基盤を実装できるアプリケーション開発フレームワーク「Keychain Core」が使用されているとのこと。またNFC(近距離無線通信)に対応したカード形状およびキーホルダー型ICタグのユーザーインターフェースも活用されているとのことだ。

同3社が今回行う実証実験では、センターサーバーとの通信を前提とする現在のキャッシュレス・ソリューションの課題となる「停電などで通信サーバーが機能せず、キャッシュレス決済が利用できない局面での対応」に対し実施されるとのこと。またJCBによると、中央銀行デジタル通貨(CBDC)においても、オフライン環境下での決済が必要機能だと議論されているという。

実証実験に利用されるシステムには、「汎用的な非接触ICカードの限られたメモリー内に認証機能を組み込むためのノウハウ」と「決済を行う店舗用決済端末および端末に搭載するアプリケーション」をトッパンフォームズが提供するという。

またエッジデバイスの限られた性能に対して、機器のなりすましやデータの改ざんを防ぐためにキーチェーンの「Keychain Core」をシステムのベースに採用し、これにより小さなアプリケーション(分散台帳技術を用いた認証情報/デジタルID)として組込み、NFC規格を利用してタブレット・スマートフォンなどの店舗用決済端末との決済処理を安全に行うとのことだ。

JCBとキーチェーンは昨年1月、次世代の決済システムソリューションとして、Machine to Machine(M2M)領域におけるマイクロペイメント向け決済インフラに関するソリューションを開発し、実証実験を行うことを発表。その後同年11月にNFCを活用したオフライン決済ソリューションのシステム実装と稼働検証を行う実証実験に成功したことを発表していた。

関連ニュース

JCBとKeychain、NFC活用のオフライン決済ソリューションの実証成功

JCBら、中銀デジタル通貨の実証実験「JCBDC」、既存タッチ決済でスマホ・カード利用

JCBとJP GAMESと富士通、メタバースやゲームでのデジタルデータ権利管理に関するプロジェクト

JCBとKeychainがブロックチェーンを活用したIoT向け決済の実証実験を開始

JCBとソラミツ、サイバー空間サービスキットを提供へ。エピック・ゲームスのゲームエンジン上で

images:iStocks/ipopba

 

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ